アンジェリーナでモンブランを頂いて


特注したヴァンクリーフアーペルのサイズ確認へ


ヴァンドームへ


んで


夢見心地なひと時を終えて


マドレーヌの購入したお家のリフォームの話し合いをして



戦闘モードで


今日はお仕事ですえ゛!












もう仕事のお話は来期の仕入れについて


まずはコレクションのスケジュール調整


パリコレクションは会場から会場までが遠かったりするので


優先順位を決めて展示会、コレクション、アトリエに行く順番を


決める


だいたいは直営店の3階前後で予定を立てる









同士が数名いて


和やかに挨拶をするけど



自分が誰よりも一番いいものを買おうとしてるので


内心微笑みながら


相手が何を狙っているかをこっそり横目で確認


アジア系はいつも私だけなので


サイズでもめることはないのでちょっと優位


小さいサイズは希少性もあるけど


アメリカのバイヤーは早々チェックリストに入れないし


ヨーロッパのバイヤーも早々入れない


ただ


海外に住んでいる親しい人へのお洋服は


真っ向から勝負になるので


威圧感たっぷりで微笑む


これも仕事のうち


全身を自分のファッションで決めて


カツカツと大理石の上を歩いて


気に入ったアイテムをセレクトしながら


周りの顔色を伺う











ラグジュアリーは人気が出ると


服を追加で作ったりもするけど


ぶっちゃけ素材の質は落ちる


何でも最初のものがいいと


この仕事をしてると思う


追加された服じゃ


私のファッションを待っている人は納得しないから


いつもミスのないようにチェックリストにチェックを入れるの


後で、やっぱりあれも欲しい


と言ったところで


「完売」


なんて言われることもあるの


プレタポルテの服でよく「顧客完売しました」


というのは日本限定だったりするけど


コレクションものは「完売しました」というと世界共通


どこにもない常態になるから毎回このシーズンは


足に力が入るわね










バイヤーになって


一番悔しかったのは単純ミス


チェックリストのチェックを1つづらして書いてて


気づいた時にはもう完売


あれは悔しかったわー…


それ以降は20回は書類に目を通して


確認するの










あと、


カタログの確認


来期のファッションはパターン画のようなカタログもあれば


白黒で乱雑に大体の絵が描いているだけ


そのデザイナーの趣向を読んで


イメージして分からないことはスタッフを捕まえて聞きまくる


で、


予想と違うものはチェックリストからはずす


時には素材のリクエストもする


今までで何度かリクエストした素材通りのものが店舗に並んだわ


偶然だろうけど


あれは嬉しかったわね~











そんなこんなで


7時過ぎになって


半分内装が終わった家に戻って


昨日、マドンナにもらった絵を飾って


ホテルのアパルトマンへ戻って


今はのほほんとお紅茶を頂きながらパソコンに向かう













今からはカタログの確認と


書類の確認をもう1度


これ、販売額上がってもいいからカシミアにしないかしら


とか


これは○○さんに…じゃあこっちのあれを合わせれば…


とか


そんなメモをとりながら


今日は夜中まで仕事かしら


大変ね~と言われるけど












この仕事は楽しくて楽しくて仕方ないわ


そりゃ


悔しい思いをすることも


世の中の不条理を感じることもあるけど


選び抜かれたファッションに触れることや


それを伝えることは楽しい


お金があるだけじゃ私は満足できない


ヴァンクリーフアーペルで特注した


サファイアを豪快に使った時計を買っても


マドレーヌに広いマンションを3室を買っても


私の欲


は満たされるけど


私は仕事をしてないと


ファッションに関わっていないと


心が満たされない


恋人といる時とは違う


家族といる時とも友人と語らう時とも違う


興奮と


感動を味合えるあの心の満足感は


この仕事をしている時だけに存在するの













パリの夜は深い


薄い霧に隠れた街灯のもやの中に


車のライトが流れて


鐘の音が低く響く


この街では毎日刺激的なファッションの世界が味わえるの


そんな街で明日も私は大好きな仕事をするの