御神木に宿るもの ― 触れる前に知っておきたい大切なこと



神社に入った瞬間、空気が変わる場所がある。

多くの場合、その中心に立っているのが御神木だ。


御神木は、ただの「古い大木」ではない。





長い年月、その土地の風雨、人の祈り、喜びや悲しみを黙って受け止め続けてきた存在だ。

だから近くに立つと、気持ちが静まり、呼吸が深くなる人が多い。


ここで一つ大切なことがある。

御神木は「力をもらう場所」ではあるが、「奪う場所」ではない。




触れる前に、まず一礼。

心の中で構わないので「ここに立たせていただきます」と伝える。

その一瞬で、こちらの在り方が整う。


御神木の前で願い事をするなら、

「〇〇が欲しい」よりも

「今あるものに感謝します」と伝えるほうが、心は静かに響く。




不思議な話だが、そうした後に触れた木の幹は、

温かく感じることもあれば、強く張ったように感じることもある。

それは御神木が何かを与えたというより、

こちらの感覚が澄んだ結果なのかもしれない。


参拝の帰り道、足取りが軽くなるなら十分だ。

御神木は、人生を変える魔法をくれる存在ではない。

ただ、思い出させてくれる。

人も自然の一部であることを。


【まとめ】

御神木は願望実現の道具ではなく、心を整える「基準点」。

静かに向き合うほど、その意味は深くなる。