こんにちは。
ぼるです。
今日は自分にびびった話。
注: ネタバレもあるので、USJのカルトオブチャッキー未体験の方は読まないことをおすすめします。
数年前、ハロウィンの時期にUSJでお化け屋敷に入った時のこと。
元々怖いのは苦手で、ホラー映画は見ないし
心霊番組とかで出てくる心霊写真も目隠して絶対見ないし
とにかくびびりなので、日頃から負の刺激は避けるようにしています。
でもUSJのカルトオブチャッキーは人気らしく
ハロウィン期間限定らしいし
「おっしゃかかってこいやーーーー!」
「存分に楽しませてもらおうかーーーっ!」
怖いけど無理矢理気合いを入れて開き直って
友人と2人で入りました。
友人は怖いのは平気で楽しむタイプ。
順番待ちをしている人達が列を作っている空間に足を踏み入れると
なんか病院の匂いするし既に異空間で、まさに映画の世界のような錯覚。
みんな妙なテンションだし怖い、怖すぎる!帰りたい!帰りたい!帰りたい!
でももう物語は始まっている……もうお前は逃げられない……
周囲の妙なテンションにのせられたまま
ついに順番がきた。
友人にがっちりしがみつきながら入る。
もう最初から怖い。
顔っぽいのが視界に入った瞬間に
「キャーーーーーーーーーーー!」
(心の中のぼる: エエェェェーーーーー!
ザ・ホラーみたいな声出とる!まじか!まじかお前!)
お化け共と視線を合わせないように、そこから完全に目をつぶって
友人にしがみつき、すべてを預ける体制に。
曲がり角の、進路が不安になる度に半眼でチラッと確認すると
なんかおる。
「キャーーーーーーーーーーー!」
(まじか!まじかお前!)
チラッ。なんかおる。
「キャーーーーーーーーーーー!」
(まじか!まじかお前!)
チラッ。なんかおる。
「キャーーーーーーーーーーー!」
(まじか!まじかお前!)
もう箸が転んでも笑ってしまうお年頃のように、反射的にホラーの声が出る。
ホラー映画の予告とか見ても
うそつけ!ほんとに怖かったら絶対こんな声出んはずや!
もっと
ぎぃやあああぁぁぁーーーーー!
とか
ぎゃおおおおぅぅぅぅーーーーー!
とか
野性の声が出るはずや!
嘘でまみれたホラー映画をディスっていた過去。
だがその嘘つきの声が忠実に自分から出ている。
しかもかなり音量がデカい。
普段声が通らなくて小さいため
店員さんとかに何度も聞き返されるのに
まさかこんなポテンシャルを秘めていたとは。
しかも音程が常に一定だ。
手タレ足タレみたいに
叫びタレのオーディションがあったら間違いなく1000人に1人の逸材として選ばれるだろう。
でも叫びすぎて、体力がもたない。
もうすぐ出口だ、もうすぐこの悪夢から開放される………
デカいチャッキーおる。
「キャーーーーーーーーーーー!」
その瞬間目をつぶって、背を向けて逃げたのでわからなかったが
友人曰く
デカチャッキーがめっちゃ接近して角まで追い詰めていたらしい。
友人はその光景をゲラゲラ笑っていた。
こんなに叫ぶやつは格好の餌食なのだろう。
外に出た時、体力は消耗していたがなぜか妙な清々しさがあった。
こんなに声を出したのは生まれてはじめてだった。
人間はまだまだ可能性を秘めている。
Dear チャッキー
こんな自分がいるなんて知らなかった
あの日君に出会うまでは
過去の自分が嘘のように消えてしまったんだ
君に追いつめられても嬉しいとさえ思えた
こんな自分を君は笑うかな?
新しい自分に出会えたみたいな気がしたあの日。
いい曲が書けた。
イントロは叫び声の嵐。
