こんにちは。
ぼるです。
これは10年以上も前のお話。
音楽・雑貨・海外好きなあなた!
未経験からチャレンジOK!
数年後にはあなたも独立して楽しく自由を手に入れよう♪♪
みたいな軽いノリの求人コピーと
なかなか魅力的なお給料に惹かれ
まんまと釣られて入社。
美味しそうなエサに釣られ応募したものの、仕事内容もよく把握しておらず
朝早くから出社すると
大音量の音楽を浴びながら夢を抱く若者達の群れ。
朝からみんなで社長の話を聴き、ミーティングなるもので士気を高めていく。
テンションを上げた後、それぞれのエリアに散らばっていく。
そう、ここは飛び込みで会社や道ゆく人に雑貨を売る会社。
そして売りまくってレベルアップして下の者達を育てられるようになると
自分が社長になって独立できるという仕組み。
海外にも買い付けに行けるし下の者よりは自由な生活を手に入れられる。
なるほど、無理だ。
ぼるには向いていない要素が満載だ。
十五、十六、十七と私の人生暗かった
この歌そのもののような人生を送ってきたぼる。
自分は妖怪ではないか?と本気で思うほどコミュ障。
みんな友達になるのになんか契約でも交わしてるんか?
と疑うほど友達の作り方というものが全くわからない。
妖怪が人と親しげにコミュニケーションをとり
妖怪が人を育てるなんぞもってのほか。
妖怪が社長になるなんて遺伝子操作しても無理。
1日の研修で先輩に同行して仕事ぶりを見させてもらうも
無理。
妖怪が売るものを買ってくれる人間がいる気がしない。
だが妖怪も人間になることに強い憧れがあったのだろう。
まだ19そこらの妖怪は判断力を持ち合わせていない
断る術も知らない
だが先輩が超いい人だった
人間になるためにここで人間修行させてもらおうじゃないか。
夢を見させておくれよ。
そして妖怪の物売り修行が始まる。
案の定売れない。
まず会社に飛び込みで行くのだが
今仕事中なんで!
とキレられる。
社長はこっちも仕事中だから気にしなくていいと言っていたが
妖怪が人間になることは仕事にカウントしていいのだろうか?
はじめこそ断られる度心が折れていたが
数をこなすと強気になってくる。
拒絶されることが普通で、受け入れてくれることが奇跡みたいな感覚になる。
拒絶されることに慣れているはずだった妖怪だが
この強靭メンタルならとっくの昔に人間になれていたかもしれない。
ビルの受付の電話は無視して上の階から降りるように!
という言いつけを忠実に守り
妖怪は上の階から忍びよる。
基本キレられるか蔑んだ目で見られるが
こちとら何年妖怪やっとると思っとんじゃ。そんなん慣れっこじゃ。
数撃ちゃ当たる戦法で奇跡を探す日々。
そして奇跡は存在することを知る。
妖怪語りが長すぎたので、次回へ続く。




