さて、いよいよアリストテレスの登場です。

この方、ギリシャ哲学最大にして最後の巨人！

とにかく、あらゆる方面に首を突っ込んで研究しまくった底なしの御仁です。

前回、プラトンのイデア論について、逆立ちしてるんじゃないかってお話しましたね😅

そうなんです、アリストテレスは師匠の逆転を克服し、新たな体系を打ち立てました。

まずはその生涯から。

アリストテレスはアテネではなくマケドニアの出身（B.C.384〜322）。

マケドニア王の侍医の息子として生まれたこともあり、幼い頃から自然科学に興味があったようです。

18歳でプラトンのアカデメイアに入門します。このとき師匠は61歳。

それから師匠が亡くなるまで20年間師事するとともに、後進の指導にも当たったといいます。

プラトンの死後は、マケドニア王の招きで当時13歳だったアレクサンダー（のちに空前の大帝国を築くあの大王です）の家庭教師を務めます。

その後、アテネに戻りリュケイオン学園を創設、自身の研究の仕上げと後進の育成に勤しみました。

アレキサンダー大王が没すると大帝国は各地で反乱が起こり政情不安に。

同じマケドニア人であり、かつて家庭教師も務めたアリストテレスは迫害されアテネを追われることとなります😖

田舎に身を隠すも61歳で病に倒れ亡くなりました🥲

そんな彼の研究対象は、自然科学（動物学、植物学、天文学、気象学、物理学などなど…😵）からスタートし、哲学はもとより法学、政治学、経済学、文学、心理学にまで広がります。

彼が残した膨大な著作や論文の中から、面白そうなタイトルをいくつか並べてみましょう。

・天体論

・宇宙論

・気象論

・霊魂論

・動物誌

・植物学

・夢について

・夢占いについて

・色彩について

・聴こえることについて

・人相学

・長寿と短命について

・生まれの良さについて

・機械学

・恋愛論

まだまだあるんですが、このくらいにしておきましょう。

何でもありって感じですね。

まるで百科事典みたい🤣

この方の好奇心はどこまで広がるのでしょう…

とにかく几帳面な性格だったのか、目に付くものはなんでも観察し分類し整理しようとしました。

こんなことをしたのはアリストテレスが初めて。

だから〈史上初の分類屋〉です。

そして、様々な現象や事物の背後に潜む見えない真理や法則性を突き止めようとしました。

哲学者というよりも、むしろ科学者に近いかもしれません。

今日、彼が〈諸学の祖〉〈万学の祖〉と呼ばれる由縁です。

そうなんです！

先生のプラトンとは真逆！

アリストテレスは目の前に広がる現実、実際に目で見えるもの、経験したものからスタートするんです。

プラトンが自分の観念から世界を解釈しようとしたのに対して、アリストテレスはあくまで自分の感覚で捉えた現実を出発点にしたんですね。

だから、理想主義のプラトンに対して〈現実主義〉あるいは〈経験主義〉のアリストテレスと呼ばれます。

そんなアリストテレス、師匠プラトンのイデア論に対してどのような態度をとったのでしょうか…

哲学の話でも（６）分類魔 アリストテレス

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