図などがないので、上手く説明出来ないんですが、竹下選手のトスの軌道って特殊だったと思うんですね。
多分、微妙に回転とかがかかっているんだと思うんですけど、例えるなら、普通のセッターから上がる一般的な"線対称の放物線"を描くトスではなく、竹下選手の場合、
竹下選手が味方から見て、右から左に(レフトへ)トスを上げるとすると、「へ」の字のような、"放物線の頂点を左に大きくずらしたような軌道"のトスなんです。
「へ」の字の書きはじめの部分がアタッカーの打点ということです。
トスの頂点が通常の放物線軌道より左(アタッカーの打点側)にあることで、
ネットから離れた位置からトスを上げて(いわゆる難しいトス)も、速めのトスを上げてトスの軌道が低めになっても、
トス(ボール)の空中での最高到達点(頂点)がアタッカーのすぐ近くにあり、
ボールが最高到達点で一旦静止して、ゆっくりと下降しはじめようとした瞬間にアタッカーの前に到達するため、
アタッカーその場面での各自の一番高い打点で打たせることができ、
アタッカーからみると、ボールがほぼ静止して真上から降ってくるような状態なので打点やタイミングも複数選べます。
そのためアタッカーが自分のプレーに集中しながら安心して助走に入ることができ、しっかりと体重をのせてスパイクを打てていました。
しかも速いトスなのにアタッカーの前ではボールの横移動が遅くなるんですよね^ ^
日本人と海外選手の高さとパワーの差をトスの質により、大きく埋め合わせ、本当に見えないところから全日本を支えて下さっていたのだと思ってます^ ^
中田久美監督がロンドン五輪後(竹下選手引退後)の全日本を見て、「ロンドン五輪はレシーバー5割、セッター4割、アタッカー1割の負担割合だったが、2013年はレシーバー3割、セッター2割、アタッカー5割でアタッカーの負担が増えている」という内容のコメントをしていたのですが、本当にその通りだと思います。
