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酒好きヴォーカーズ 名古屋

ダングォファンを世界中につくる!という構想を掲げ活動中!
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第4話 「ウルフQFSカード 狼の咆哮

 

――群れの集会

 

2026年1月18日、金曜日。夜10時。

 

 

場所は、光坂一狼から指定された名古屋市内の廃工場。
かつて鉄鋼を扱っていた巨大な建物は、今は所有者が不明のまま放置され、外壁は錆び、窓ガラスはほとんど割れていた。
それでも、内部には暖房が効き、照明が整えられていた。
まるで、誰かが意図的に「隠れ家」として整備したように。佐藤健太は、指定された時間ちょうどに到着した。
黒いダウンコートの下、胸の刻印が微かに熱を帯びている。
入口には、スタッフらしき黒スーツの男が二人。
無言でカードをスキャンされ、中へ通された。ホールには、すでに30人以上の人間が集まっていた。
全員、千人の中から覚醒した者たち。年齢は20代から50代まで。男も女もいる。
共通しているのは、誰もが異様に落ち着いていること。
そして、首元や手首から覗く服の隙間から、黒い狼の刻印が見えること。中央に、円形のステージ。
そこに、光坂一狼が立っていた。白いスーツに、黒いシャツ。
首元を開け、自身の胸にも同じ刻印が深く刻まれている。ただし、彼のものは違う。
周囲に金色の輪が浮かび、明らかに「上位」だとわかる。健太が近づくと、光坂は微笑んだ。「遅刻なし。良い群れだ」全員が自然と円になって座る。
椅子は用意されていない。床に直接。まるで、動物が輪を作るように。

 

光坂がゆっくりと語り始めた。「ようこそ、本当のホワイトウルフへ。ここにいるお前たちは、すでに選ばれた。レベル2以上。古い血が目覚めた者たちだ」

誰かが小声で聞いた。「レベルって……最大いくつなんですか?」光坂は笑った。「9だ。鬼神の領域。私は、今レベル8。 あと一歩で、完全なる覚醒を迎える」ざわめきが広がる。

「QFSカードは、ただの餌だった。お前たちを引き寄せ、欲をかかせ、そして覚醒を促すための装置だ。金など、どうでもいい。本当の目的は――」

 

彼は一瞬言葉を切り、周囲を見渡した。

「新しい世界を築くこと。古い人間たち、覚醒できなかった者たちを排除し、狼の群れだけの世界を作ること」

健太は息を飲んだ。「排除……って、どうやって?」

 

光坂の目が、金色に光った。一瞬、本当に狼の瞳に見えた。

「自然に、だ。カードを拒んだ者たちは、すでに刻印が暴走している。胸を焼かれ、内側から喰われている。もうすぐ、千人中700人は消えるだろう。残る300人、それが次の種となる」

 

女性の一人が震える声で聞いた。「私たちは……何になるんですか?」光坂は静かに答えた。

「お前たちは、狼になる。肉体は人間のままでも、力、速度、感覚、すべてが向上する。そして、群れの声で繋がり、一つの意志で動けるようになる」

 

彼は手を挙げた。「今から、最初の儀式を行う。群れの絆を深めるための、共有だ」

全員の手元に、カードが置かれた同時にアプリが起動し新しい機能が解放される。

 

『狼の咆哮』
――使用すると、半径5km以内の覚醒者全員に強力な衝撃波を放つ。
 非覚醒者には、ただの頭痛。だが、拒否者には致命的。光坂が続けた。

 

「今夜、最初の標的を決める。カードを捨てた者たち、グループで助けを求めている者たち。
 彼らを、静かに排除する」

健太は、自分の手が震えていないことに気づいた。むしろ、胸の刻印が喜んでいる。

群れの声が、頭の中で重なる。『やるぞ』『古い世界はいらない』『新しい時代だ』

光坂が最後に言った。

「黄金時代は、金ではない。力だ。そして、力を持つ者が、世界を支配する」

 

その瞬間、外で遠吠えが響いた。今度は、37人全員の喉から、同時に。廃工場の外、名古屋の夜空に向かって、狼の群れが初めて声を上げた。

一方、市内のとあるアパート。カードを捨てた参加者の一人が、胸を押さえて倒れていた。
刻印が黒く変色し、血管が浮き上がり、心臓が、文字通り喰われ始めていた。

 

最後に見たのは、スマホの画面に浮かんだ通知。

【ウルフQFSシステム】「権利失効を確認。淘汰を開始します」

 

そして、遠くから聞こえる、複数の狼の遠吠え。

 

 

 

 

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