Chère Musique

渋谷区の高齢者事業の一環として文化講座がいくつか開催されています。

そのひとつである“歌ってラララ”という音楽の講座を、私が担当させていただいています。

月に一回で6ヶ月間のクラス。

半年ごとに受講お申し込みの抽選が行われます。

4月から9月と10月から翌3月のクラスなので、先日、2022年度後期の最終回でした。

もう何年もやっていて、毎回最終回は感慨深いものとなります。

これまでもさりげない形でご感想を聞かせていただいてきましたが、今期の最終回では、最後の一曲を歌う前に少し時間を取って、受講者全員からひと言ずつお話しいただきました。

もっと歌いたい

嬉しかったのは、ほぼ全員の方が

「月一回では足りない！せめて月二回！」

「いつも次回が楽しみだった」

というようなことを言ってくださったこと。

歌の講座ですのでまだまだ人数制限があり（2019年までの三分の一程度）、抽選の倍率が大きいというお声でした。

こればかりは講師にはどうにも出来ず、皆さんのお声が主催者に届くといいなぁと願っています。

「この講座を受けるようになって、声を出すことがいかに体に良いかを実感しました」

「一人暮らしだから、ここで先生とみんなと一緒に長い時間大きな声で歌うことで、気持ちがスッキリしました」

心と体とどちらにも、歌は本当に健康に役立つのです。

歌の種類によるいろいろな違い

「歌にこんなに種類があることを再確認できました」

「歌の種類によって、発声と歌い回しのコツがこんなに違うとは、ここに来るまで知らなかった」

「種類別に、気をつけることや大切なことを教えてもらえて、興味深かった」

日本歌曲、童謡、唱歌、外国の歌曲、シャンソン、歌謡曲、フォークソング、演歌など、一回の講座の中でたくさんの種類の歌を歌っています。

そのひとつひとつに、“らしく”歌うコツがあるので、それをご紹介して体験していただいています。

そして、曲のどんな面を見ながら、どんなことを思いながら歌うと、より深くその音楽の世界に入っていけるのか。

その種類の歌を歌うときの“思考の方向”へ、さりげなく誘導します。

「当然知っていると思っていた歌の、本当の内容を知らなかったんだと気づきました」

「子どもの頃から覚えていた歌だったので、意味を考えようとしないで歌っていたんだなぁと思いました」

主に日本歌曲に多いのですが、それらの歌詞の内容を解説しました。

子どもの頃に、大人の言葉の意味がわからないままに、発音だけ無意識に覚えて歌っていた歌。

大人になっても、文語や古語の言い回しを、何となくイメージだけで解釈していた歌。

あらためて解説を聞いた皆さんは、「そうだったのか。。」となるだけでなく、歌に気持ちを込めたり映像をイメージしたりして歌うようになり、急にとても上手になります。

「専門的なことを教われて、なんだかカッコよくて気分が上がった」

「ただみんなで大きな声を出すだけではない、詳しい話が聞ける講座なのが良かった」

毎週積み重ねてゆくレッスンではなく、月に一度のシニアの方の楽しみである講座だからこそ、内容は本格的な音楽レッスンです。

と言っても、本格的なことを学んで自分が変化してゆく、その入り口のドアをお見せする感じ。

特に発声法の時間では、完全に出来るようになることを目標にはせず、「こんなことを考えながらこんなふうに実践してゆくと、いつの日か楽に上手に歌えるようになるのか」と感じて、体験していただくだけです。

でもそれだけでも、新鮮で楽しいと感じていただけたり、以前に本格的なことをやって来た方のプライドが満足したりしていただけたようです。

「講座の初めにやる“音楽瞑想”が、すごく新鮮で気分よくて、家でも試してみています」

「有名な音楽、作曲家、演奏家を紹介してもらえる時間が楽しみでした」

「歌手についてなどのちょっとした裏話がおもしろかった」

私の講座の特徴であるこれらのことを、しっかり楽しんでいただけていたのだなぁと分かって、とても嬉しかったです。

自分ではまだいくつか改善したい点が見つかっていて、いただいたご感想を元にしっかりと2023年度の講座の計画を立てているところです。

前期は4月11日に始まります！

Musique, Elle a des ailes.