「相川先生、人から若く見られる声ってどうやったら出るようになりますか?」
「ぬ」
「この間、学校でショックなことがあったんです・・・息子が通っている日本人学校で参観日がありまして、授業を後ろで見ていたんです。そしたら現地人の先生が、私の隣のお母さんに『ええとカトウ君のお姉さんですか?』って声をかけたんです。 そのかたは確かにすごく若く見えたんです。 でも、後で聞いたら、なんと私の一つ下だったんですよ!!」
「は」
「なんだかショックでした・・・ほとんど年が変わらないのになにこの差は?!と。でもその方、声がとても可愛らしくて、それでいて物腰がとても丁寧なんです。私もあんな風に若くて品のある感じの声になれたらなと思ったんです」
「ふん」
「ボイトレって声を変えることができるのでしょうか? 私の声は若々しくなりますか?」
「技術的に言えば可能である」
「なにをやったらいいんでしょうか??ウチで出来ることありますか??レッスンに通ったらいいんでしょうか??」
「まず、基本的なことだが、他人から『若くみられる』というのはどういうことかだ。 人が『若い』と印象的に感じる要素をあげるなら、まずエネルギッシュであること。つまり元気だな。それから女性の声でいえば『高いクリアな声』があげられるだろうね。 一般的に年をとると、つまり加齢すると体の水分が失われて行く訳で、声帯も例外ではないよ。 なので、声帯の水分が失われると、しゃがれた声になって行く。ほれ、おばあさんの声ってしゃがれてるだろう?」
「そうですねそう言えば!! アレは声帯の水分が失われて行くからああなってるんですね!知りませんでした!」
「うむ。生まれたての赤ちゃんや、子供の声がしゃがれてるってことはないだろう? 反対に、若くても、例えばお祭りや運動会で声を使いすぎると、声がしゃがれてしまうことがある。 あれは、声帯の表面が炎症を起こしていて、それがしゃがれ声になってしまうのだよ」
「なるほど・・・私も声が枯れておばあちゃんみたいになっちゃったことがあります。。。その時はアメを舐めて、なるべく声を出さないように、回復するまで手話なんかでコミュニケーションを取りました」
「うむ」
「つまり、若い印象の声を出すには、喉が潤っている状態でいればいいってことですかね? でも、それって、こまめに水分とるとか、寝るときにマスクするとかですか?それだけでいいでしょうか?」
「水分とったら肌の潤いが保たれるか?そうでもないだろう? 肌の潤いっていうのは、体の代謝が大きく関係しているから、最も効果があるのは細胞を活性化させることだ。 昨今話題になっている『若返り治療』があるだろう? 病気が治ったり慢性的な疾患が改善したりね。 しかし、日本や中国、インドにはそういった科学的な対処療法よりも、はるかに安上がりで根本的に効果がある方法があるではないか!!」
「・・・・というとなんでしょうか?」
「呼吸法である。 声がよくなる四つのステップというのがあるのだが、その一歩めは体の使い方。声が出やすい体の状態を作るのだが。 二歩目が呼吸なのだよ」
「なるほど!!どんな呼吸法ですか??」
「三箇所を意識して使うブレストレーニングだ。 肩と胸、お腹、そして背中である。 やり方は、まず、肩を持ち上げ胸を広げるように息を吸う。吐く。それから、お腹を膨らませるように息を吸う。吐く。最後に背中が膨らむイメージで吸う。吐く。 この三種類だ。これを5分ほど交互に繰り返すと、全身に酸素が満ちて、頭がスッキリするのを感じるだろう。その息で声を出せば、自然と普段よりもツヤのある声になっているはずだ」
「今やってみます!・・・・・スゥぅー、はぁーーー。。。。 あれ、背中、膨らみません。これどうやるんですか??」
「それはだな・・・」
声から若返るのがボイトレである。
現代人は新鮮な空気に飢えているのだよ!
偽りの自分を生きていると本音が言えぬから、ついつい口をつぐんでしまうだろう?
本音の声を出せ!
そうすれば誰でも自然とエネルギーがみなぎってくるのだ!!
エネルギーが高い人はたとえおばあちゃんでも若々しく見える!
ブラジル・サンパウロでお会いしたおばあちゃんは77歳と言っていたが、それこそ日本の女子大生十人分くらいのエネルギーだった!
全身で空気を吸うことを覚えて、満ち足りたエネルギーで本来の自分を生きるのだ!!
声から人生が変わる!ソラオトボイストレーニングを、今月29日までバンコクで開催します。
詳細は後日