暗闇に包まれた山の上の道。
がたごとがたごと揺れながら進む車。
かれこれ二時間の道のりの末。
「ヨウスケ着いたよ」
車を降りて、空を見上げると。
「ふぉーーーーーー、、星空スゴイ、、、」
空には大プラネタリウム。
都会では絶対に見られない、完璧な星空。
なんだか昔習ったような星座も見えるのだけれど、名前を知らない立派な星座がたくさん見える。
音はしない。
そうして、車を降りて遊牧民族の友人宅に歩いたのでした。
羊の群れがメェメェ鳴いていて、不思議な世界。
砂と岩の山肌を滑りながら、木と羊毛でできた家の前まで来ると。
家のガスランプに明かりがともり、白い大きな帽子をかぶったお爺さんがいました。
その傍らには、紺色の布をかぶったおばあさんの眩しい笑顔。
「よく来たな」
早速ペルシア語でご挨拶して、屋根があるところに座りました。
ここの遊牧民族の人たちの家にはドアがありません。
遊牧民同士の家は最低1キロは離れています。
すると、僕が持って来た刀に興味津々の模様。
お母さんが縫ったというペルシア絨毯の上で、剣舞をお見せしました。
すると喜んでくださったようで、ガサゴソとライフル銃を見せてくれました。
ほんまもんの武器、、、
到着したのが夜中だったので、もう寝ようということになり、分厚いペルシア絨毯に羊毛の枕をしいて横になりました。
すると、遠くから何かの遠吠えが。
「ワォーーーん」
これはまさか。。そう!狼です。
曰く、夜になるとこうして羊の群れを襲いに来るとか。
ということで、そのおじいさんは家の外に出て、ライフル銃を握って横になりました。
本当の遊牧民の生活は大変だ。。
寝ていると、急に眩しくなって目が覚めました。
ん? あ、あれは!
そう、山肌からぬっと眩しい月が出て来たのです。
月のあかりってこんなに眩しいものだったのか。。
満月の光に照らされるオオカミを想像すると、なんとも言えない感動がありました。
続く