このところ、急に暖かい日が訪れて、関東地方では春一番、春二番と、風が南風かと思いきや、次の日は北風が強く吹いて、冬に逆戻りとなったり、忙しいことしきりである。
春も待ち遠しいのか、フライングしてしまったようで、そこに冬も負けじと盛り返す、デッドヒートさながらの毎日を、ある者は花粉の心配をしたり、ある者は強風の影響で路線の運休に気を揉んだりと忙しい。
必ず春が来るとわかっていて、楽しみを待っているのと、冬が終わることでまた次の冬まで待つのとは、こんなにも違う感情なのかと考えてみれば、冬が少し憐れに思えてきてしまう。
今夜も外の轟々という風の音を聞きながら、寝に就くことになるようだ。
北風と太陽の話を思い出し、自然の摂理に抗うことなかれと、旅人のコートよろしく布団にもぐることにしよう。