【夢の世界】とは、【ドラゴンクエストVI 幻の大地】 のサブタイトルにもなっている、「幻の大地」のこと。
上下二層構造になっているDQ6のフィールドマップの上側の世界で、それ故に「上の世界」とも呼ばれる。
草原の色が濃く、海の色が淡いことが特徴。BGMは、テンポが遅めで音程が低い【もう一つの世界】
 
【主人公】 はゲーム開始時にはこの世界に住んでおり、「幻の大地」と呼ばれている下の世界と行き来しながら冒険を続ける。
だがストーリーが進むに連れ、当初「幻の大地」であると聞かされていた世界こそが紛れもない【現実の世界】 であり、
元々自分が住んでいた世界の方が人々の夢の世界、すなわち真に「幻の大地」と呼ぶべき世界であったことが明らかになる。
 
文字通り人々の「夢」によって構成されている世界で、ゼニス王という人物が束ねている。
人々の「夢」および「願い」「想い」「希望」などを具現化している。
例:ライフコッド

キャラクター 現実の世界 夢の世界
主人公 安息の地を求める、妹を亡くしたレイドック王子 実妹と共に静かに暮らす村人
ターニア 幼い頃に家族を亡くしたため、兄が欲しい 実兄と共に暮らす村人
ランド 主人公に冷たく当たる 主人公を慕う
村長 立場上、主人公には出て行ってもらいたい 本心では主人公に出て行ってほしくない
武器屋 最高の鎧を作りたい 最高の鎧を売っている

 
【堀井雄二】 は『ファミ通』1996年2月9日号でのインタビューにて、夢の世界について

「『VI』の夢は、ひとりの夢じゃないんです。たくさんの夢が集まってひとつの夢を作っている。
だから、すでに滅んでしまった街でも思い出さえあれば存在したりできるんですよ」

と語っており、多くの人々の心に残った出来事は、夢としてしっかりと残っている。
特殊な例としては、自らの意志で現実世界に存在していたものを夢の世界へと逃がした【カルベローナ】 の住人がいる。
 
本来は上下の世界間は行き来することはできないどころか、そもそも「夢の世界」は大地として成り立っていない。
この世界が確たる大地として存在できているのは、皮肉にも大魔王【デスタムーア】 が原因。
現実世界で世界征服を企てた彼は、以下の施設を侵攻し、制圧・壊滅に成功する。

そしてそれら施設を滅ぼしても、人々の記憶として残り続けることを恐怖に思った彼は、人々の心までをも支配するべく夢の世界を具現化させることにした。
そして夢の世界の中心であり、自身が隠れ潜む【はざまの世界】 への辿り着き方を知る【ゼニスの城】 を含めた四施設を封印。それぞれの封印の管理は、【ムドー】【ジャミラス】【グラコス】【デュラン】 という四体の魔王に託した。
こうして現実と夢の双方の支配をするのが、大魔王デスタムーアの目的であった。
 
現実の世界(下の世界)とは似て非なる世界で、どちらの世界にも存在する町もあれば、【カルカド】 など、こちらにしか存在しない町などもある。
過去の行動にうなされ続ける老婆の悪夢を追う【アモール】 、病によって命を落とした少年の夢を描いた【クリアベール】 など、上下両方に存在する町は、「夢」という設定を活かした凝ったギミックが仕掛けられていることが多い。
また、【レイドック】【ソルディ】【トム】 の関係や、上の世界で【シエーナ】【マルシェ】 )があった場所にある一軒家に住む老人の発言、クリアベールの老人や主人想いの犬など、現実の世界に存在するモノの「理想の姿」が、「夢」という形で夢の世界で実体化していることもある。 
 
これらヒントの他に、ダーマ神殿南東の小屋に隠れ住むシスターが「ここは人々の夢の世界」という事実を知ってしまったと明言している。
またDS版では【グランマーズ】 に、序盤でその概要を知らされる。
とは言えDQ6のストーリーは広大に及ぶため、情報が整理しきれず、初回のプレイではこの世界が夢なのだと気づかない人も多いらしい。
 
世界設定としては、人々の夢の世界だけあって【ひょうたん島】【空飛ぶベッド】 などの現実離れした存在が多い。
逆に現実的な娯楽施設である【カジノ】 は夢の世界には無く現実の世界に存在していたりする。
ワールドマップとしては、夢の世界は全体的に丸みを帯びており、現実の世界はどこか角ばっている。
前述のBGMや草原・海の色も若干違うため、よく注意してみるとわかるはず。
ちなみに現実世界の人間は、上述したグランマーズ以外夢の世界の存在に気付いていないが、上記のシスターのように夢の世界の住人は何人か「ここが夢の世界だ」と自覚している節がある。
 
少々変わった例としては、アモール南の井戸の中にある家に住んでいる男性が挙げられる。
この男性は夢の世界に居ながら、現実の世界にある【フォーン城】 へ家の傍にある井戸を経由して行けることを教えてくれる。
フォーン王が海峡にかかる【すいもんのカギ】 を代々管理していることも知っている他、DS版では【イリカ】 を助けた後に訪問するとそのことも既に知っており、「騒がしくておちおち昼寝もできない」などと言っている。
彼が自分が「夢の世界」の住人であると理解しているかは定かではないが、少なくとも「こことは違う世界」が存在することは理解しているのだろう。
 
システム面としては、二つの世界間はいくつかの方法を用いることで移動することになる。
上下の世界は各地に存在する【井戸】 や、フィールド上に存在する階段(上の世界の場合は「下り階段」)で相互に繋がっている。
また、「上」の世界独自の移動法として、大地に開いた大穴(上記のダーマ神殿などが封印された跡)に飛び込むことでも、「下」の世界に落ちることができる。こちらはこの特殊な世界構造を活かしたギミックといえるだろう。
ともあれ、SFC版では上下の世界間の移動にはたとえ面倒でもどこかしらのポイントを経由する必要がある。
DS版ではグランマーズに関するイベントにて【ルーラ】 の移動先に、【べっせかいへ】 という項目が追加されるため、上下の世界間の移動が格段に楽になっている。
 
なお、夢の世界を実体化させているデスタムーアが倒された後は、この世界は現実の世界からは認識も干渉もすることができなくなる。
そしてその際に、実体を持たない夢の世界の住人である【バーバラ】 とも別離の時を迎えることになる。
ただし、実体化が解けて認識することができなくなるというだけで、人々の夢の世界そのものが消えてしまうというわけではない。
大地が認識できなくなった後も、夢の世界の中心たるゼニスの城だけは、【天空城】 として現実の世界の高空に存在し続けることになる。
こうしてDQ4・DQ5へと物語は続くことになる。

蛇足になるが、ヘルクラウドが夢の世界にあった事からしばしば勘違いされがちだが、別に後の天空シリーズが夢の世界限定で続いたわけではない。
前述の通りヘルクラウドは天空城として現実の世界に残っているため、ちゃんと現実の世界で物語は続いているのだ。
それでは、皮肉にも「夢がない」だろう。