
今日は僕の地元、高円寺のビッグイシュー販売者、大江さんの詩を紹介します。
ビッグイシューとはホームレスの方が販売して収入になる雑誌で、
大江さんも昨年秋までホームレスを経験され、苦労を乗り越えられた方です。
僕と大江さんとの出逢いは、去年の夏、
駅前でビッグイシューを一度だけ買った僕の顔を、大江さんが覚えていてくれて、
何日も経ってから、道端で声をかけられたことから始まりました。
大江さんは販売する雑誌の中に、ご自身で書かれた詩や文章を挟んでいます。
これが、とてもさりげなく、切なくて優しい、身近な出来事から紡いだ作品で、
月に2回、僕は雑誌本編以上に楽しみに読んでるんです。
そして前回号の詩は特に素晴らしく、とても感動したので
ご本人の了承の上、ここに紹介したいと思います

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「別れていく日々に」
あなたのことは
知りませんでした
きのうまで
あなたのことは
知りませんでした
さっきまで
でも
出逢いましたね
少し
お話もしました
たわいもない
ことでしたけれど
私たち
そう
私たちに
なりました
そうして
今日はもう
別れて
ひょっとしたら
二度と
逢うことが
ないのかも
知れません
なんと切ない
なんとさびしい
ことでしょう
それでもいつか
何気ない
階段かなんかで
つまずいて
転びそうに
なったときなどに
あなたと同じ
美しい瞳で
「だいじょうぶですか?」
なんて
誰かに
言ってもらったときに
はっとして
あなたのことを
思い出したり
するのでは
ないでしょうか
生きている
ということは
実に
別れて別れて
別れて
ゆくことの
繰り返しですね
でも
それは
出逢って出逢って
出逢ったことの
証(あかし)だと
思うんです
それで
いいじゃない
と
思うんです
コーヒー
ありがとうね
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