最近ピクシブに出没中です。

こっちでは公開してないイラストや漫画(おもにカゲプロ)

があるので是非。

最近例のコノハを上げたので最新検索の「カゲロウプロジェクト」か「コノハ」からアクセスできます。
「瀬戸幸助、じゅ、15歳です!」

ついにまた、面接が始まった。

今日の面接先は、アジトからちょっと遠いお花やさん。

店長が、怖い顔で俺の事を睨んでいる。

「………おめぇ、履歴書が『中卒』だが、高校はどうした?中退か?」

「いえ、……高校には行かなかったんです。」

「なんでだ?」

「お…僕には、親がおらず、孤児院で育ってきました。今は、そこでの友達と一緒にべつの場所で暮らしています。」


「……」

「皆で協力して、生きています。でも、限界に近づいてきました。」

「…金か。」

「僕は、ずっと幸せな日々を過ごしていたいんです。例えお仕事がどんなに辛くてもー…」


「僕は、大切な人たちと、彼らとの時間を全力で守りたいんです!!」





これが、正直な気持ちだ。

しばらくして、店長が口を開いた。

「……上等じゃねえか、若くしてそこまでの決意が出来るなんてな。」

「……!」

「合格。頑張れよ。」



「………は、はい!!ありがとうございます!!」

「そのかわり、家族を全力で守るっつったんだ。仕事も全力でやれよ?」

「もちろんです、店長!!」

受かった。

………受かった!

…………受かったんだ!!


これでやっと、皆を守って行ける…!!



そして数日後…

「おーい幸助、その花束後ろに運んどいてくれ!」

「うッス、店長!」

店長の性格とずっと仕事したら、いつの間にか語尾についてしまった。

でも、これがこの花屋の特徴にもなり、よくお客さんも来てくれるようになった…!


━━━━

「てことがあったッス…て、キサラギさん!?」

「め、めちゃくちゃいい話じゃないですか…!」

「セト、私たちのためにそこまでしてくれてたんだね!」

マリーまで号泣して…


まったく。

「セ、セト、」

「ん?カノ、どうしたッスか?」

「あの、…さ、……いつもありがとう。」

「……!」


……照れるなぁ。

まあ、なにがあってもこれからも、俺はバイトを続けて行くッスよ!
「セト、バイトおつかれさまー!」

いつもバイトがおわると出迎えてくれる、可愛いマリーの声。

彼女と、家族を養うために、今日もバイトに行くッス!

「そういえば、セッ…セトさんはいつ頃からバイト始めたんですか?」

キサラギさん、また間違えかけたッスね?はっはっはっ!

じゃあ、俺のバイトを始めた頃の話を始めるッスか…!

━━━━━━━━

「ふぅ…これでマリーの引っ越しは終わったな。」

今日からマリーがアジトに住むことになった。

「ふ、ふえぇ…よ、よろしく…お願いします…」

「だーいじょうぶだよ、そこの団長キド以外は気楽にやってグフゥ!!」

「きゃあっ、カノ!…さん!」

「気にするなマリー、全員呼び捨てで構わないし、敬語も使わなくていい。」

「俺たちは、家族だからね!」

まだ語尾になにもついてないころ、小さな団員が誕生したのだった。

「さて、そろそろ家計も苦しくなってきたわけだが、どこかにアテはないか?」

「まだまだ懸賞は当たりそうになドゴァっ!!」

「俺たちも中学を卒業して大分たつんだ、はやくなんとかしないとまずいぞ。」

そう…、3月に中学を卒業し、孤児院を出て、アジトで暮らし始めたはいいが、収入がなく、貯金もそこを尽きていた。

「あ、これから面接の時間だから、…行ってくるよ。」

気が重い。中卒の人間をやとってくれる場所はなかなかないのだ。

「あっ、あのっ!」




「………頑張ってね。」

「…………うす!」

でも、新しい家族が、大切な人がいるんだ。

もうこれ以上、落ちるわけにいかない。

皆を、守るためにも…!