みなさんこんにちは
今日は、発声の技術の話は少しお休みします。
日本のボイトレの現状についてお話ししたいと思います。
みなさん
俳優さんや女優さんやアイドルなどを
含め歌を歌ってお金を稼いでいるプロ歌手を
テレビなどで見た時に、
「この人へただなぁー」と思った事はありませんか？
上手いとか下手とかっていう概念はこの
ブログを始めた時に説明しましたが、
ここでいうヘタとは音楽のルールにのっとって歌えていない
とう事です。
そう
日本は
高い歌唱力＝プロ
ではないのが現状です。
したがって世界で活躍する日本人歌手が出てこられないのです。
もちろん海外でも人気のある日本人歌手は多少いますが、
キャラや楽曲やパフォーマンスなどで人気を誇り
歌唱力が評価されて、全世界で売れている日本人歌手
はあまり聞いた事がありません。
いろいろな要因はありますが、その１つに
メジャーの業界で働いているボイストレーナーが大きな
原因であるように思います。
又、業界がボイストレーナーを重視していないのも
原因です。
海外では、ボイトレを必ずして歌唱力をしっかり付けてから
デビューするというのが常識で、例えアイドルであっても
歌唱力があります。
日本ではアイドルはヘタなのがあたりまえのように
なってしまっていますね
むしろヘタクソを売りにしたりしている場合も。
そして
ボイトレには価値を感じてもらえずアイドルのプロデューサー
達はそこにお金をかけたがりません。
しかし僕を信用してくれたアイドルプロデューサーが現れ、
４人組みのアイドルを１年間僕に預けてくれました。
個別に週一でレッスンを行い、
１年後には成果をハッキリと現し、今もボイトレを継続
してくれています。
ここでいう成果とは、うまくなったとかっていう抽象的なものでは
ありません。
大きく３つです。
○声枯れが無くなった。
○声量がアップした。
○高音の音域が上がった。
です。
一番の成果は
声枯れが無くなった
事ですかね。
最初に彼女達に出会った時は
過酷な生活状況に加え、
ライブの本数の多さで、ほぼ全員の声が枯れていました。
正しい発声を身に付ければ、かなり声枯れは
軽減されます。
今では過酷なライブの本数をこなしても
誰１人声は枯れていません。
（風邪をひいたりすれば別ですが）
上記の３項目で成果を出す事が
世間で言う歌がうまいに直接通じるかは
分かりませんが、
プロデューサーさんには喜んでいただきました。
僕達トレーナーは喉を守るのも
大きな仕事の１つですから
１年間、莫大な費用を投じてボイトレをさせる
という事をしないし、成果を出せるトレーナーも
ほとんど存在しないので、
メジャー業界は負のループにはまっているように思います
なぜメジャーで活躍するボイストレーナーの人達が
あまり良くないと僕が感じたかと言うと・・・
僕の教え子は何人かメジャーデビューをしています。
メジャーデビューが決まると
だいたい事務所指定のボイストレーナーのところへ
レッスンに行く事になります。
期間限定で。
そして１時間１万円くらいの高額なボイストレーナー
のレッスンを受けます。
その費用は一定期間だけ事務所が持ってくれます。
そしてその期間が過ぎると、あとは自腹で受けたければ
受けろという感じなのですが・・・・・・・。
その期間終了後、事務所指定のボイストレーナーのレッスン
を継続する生徒は誰１人おらず、
全員、僕のところに戻ってきてしまいました。
その生徒達からレッスンの内容を聞くと
「・ ・ ・」
うーーん
音楽活動（作家さんも含め）の実績が立派な方が多いのですが、
トレーナーとしては・・・・。
名選手名監督にあらず
を感じざるをえません
でも
一定期間その子達を教えているので
そのトレーナーのメジャーデビュー輩出実績にカウントされ
更に生徒が集まってくるという構造です。
この構造が崩れないと
メジャーデビューしたアーティストの実力は
上がっていかず。
（アイドルでも役者でもタレントでも同じです。）
日本人の歌は世界に評価してもらえません。
どう崩せばいいか
模索中ですが
日本の第一線で活躍するメジャーシンガーが
テレビで「俺は歌がうまくならない」
と漏らしていたのを聞いた時、胸が苦しくなりました。
もうプロになって１０年以上経つのに実力が上がらないと。
彼は本当に苦しんでいる様子でした。
彼の目標は世界だそうです。
日本人のほとんどが彼の事をうまいと絶賛します。
僕のトレーナー仲間は全員彼の歌が好きではありません。
そして彼も自分の実力では世界で闘えないと実感しています。
こんなちっぽけなトレーナーがおこがましいのですが、
僕は心底、彼のような人の力になりたいと思っています。
そして力になれる日がくるように僕自身も頑張ります。
そしていつか世界に認められる日本人歌手がこの国で
育つ事を夢見ています。
ここまで読んでくださった方
ありがとうございます。
今日は少し熱くなりすぎました。
ではまた。。。