音程 | 年齢や素質で諦めさせないボイストレーナー牧野努のブログ

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16年間のボイストレーナー生活を元に、歌で悩んでいる方や行き詰っている方々のお役に少しでも立てればと思っております。年齢や素質だけで歌は決まりません。情熱と努力だけで乗り越えられる壁がたくさんあります。

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音程については
以前少しふれましたが、
もう少しお話ししたいと思います。
 
よくカラオケなんかで
採点機能があって音程正解率が出たりしますが
100%を出せる人は見た事がありません。


 
総合得点で100点を出しても
 
音程正解率は100%ではないのです。
 
この画像では総合得点は100点ですが
音程正解率は96%です。


 
これを見ても分かりますが、音程をばっちりあわせるのは
職人業とも言えます。
 
まぁ
100%を目指すのは別として
音程のとり方について少しお話いたします。
 
音程に関しては僕自身がかなり苦労し、
試行錯誤を繰り返してきました。
まずその1部分だけでも。
 
人間は外の音を(空気の振動を)耳で拾い鼓膜を振動させ
音として認識します。
しかし自分の発した音は外から入ってはきますが
骨伝道で耳の内側からも聞こえてくるのです。
普段聞いている自分の声は内と外から伝わってくる音をミックスして
聞いています。
 
始めて自分の声を録音して聞いた時に
自分自身が普段聞いているのと全然違うので驚いた経験はありませんか?
 
でもその録音した声が他人が聞いているあなたの声なんです。
 
内側と外側がミックスされているのではなく外側の音だけが
録音されるからです。
 
そして厄介な事に同じ音のはずなのに内側の音程は外側の音程より
すこーし高く聞こえているのです。
 
同じ音程を出しながら 「あーーー」とか言いながら
耳を手で塞いだり離したりしてみてください。
 
音程が変わって聞こえませんか??
 
塞いだ時には内側の骨伝道の音だけを聞くので少し
高く聞こえませんか?
 
音がとれない生徒さんに対して片方の耳を塞いで
自分の声を良く聞きなさいと指導するトレーナーがいますが、
ちょっと危険な行為です
ハモッたりする時も片方の耳を塞ぐ人っていますよね
 
開放されている方の耳で伴奏を聴きながら
塞いでいる方の耳で自分の声を聞いて音程を合わせたら
どうなりますか?
 
そうです
 
骨伝道の音で音程をコントロールしてしまうと
結果的には自分の発している外側の音程は
伴奏に対して少し低くなってしまいます。
 
良くヘッドホンをしていると音程が低くなってしまう
人がいたりしますが、それはこのせいです。
もちろんヘッドホンから外側の音が聞こえてきているはずなの
ですが、塞がれているせいで、内側の音を聞いてしまっているのです。
 
まぁ無意識のうちに外側の音で音程をコントロールしていて
最初っから何の問題も無い人もいますが。
 
意識としてはとにかく、外側の伴奏と外側の自分の声を聞くように
注意し意識する事です。
 
理屈は分かっていてもなかなか
できるもんでもないですがね
 
レコーディングの時、片耳だけヘッドホン外す人もいたりしますね。
 

 今日のお話は音程の要素のほんの1例です。
 
音程は大変ですよね。
 
ではまた・・・・・

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