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ハシビロコウは思いました。
人間はとても五月蝿い動物だと。

ハシビロコウは考えました。
礼儀を欠いた人間は鳥類にも劣ると。

ハシビロコウは思いました。
まずは世界を礼儀で埋め尽くす、礼儀のリンボでサンバを踊ろうと。

 私は昨日とある有名なラーメン屋へ行った。雪さえ降りそうな寒空の中、私はパートナーと駐車場からラーメン屋までの道程を脳内に記憶してある目的のラーメンの味を想起させて歩いた。海馬は味さえも記憶していて、、、と、その中には匂いも含まれていて、、、そうあれは夏の夜のこと。
その店に入ると悪臭が漂っていました。何事かと匂いの原因を探ると男子二人から発する汗の匂いでした。私は鼻を抑えながらラーメンを食すこととなり、舌の味覚のみを頼りに麺を啜ったのでした。鼻からは悪臭、舌からは豚骨の甘い旨み。退廃的で甘美であるなぁ今日のラーメンは、と前向きに考えてその日は終わりました。
 そして、昨日はそれを思い出して匂いの強い殿方がいなければ良いなとつよく思いながら店内へ入店しますと、全くの無臭というかラーメンのよい匂いのみ。安堵した我々は食券を買い席へと案内されました。
 すると、テレビではモニタリングという人間を監察して面白い感じに編集して、放映しているテレビプログラムが映っていました。特にそれに対して感慨もなくラーメンを待っていると、すぐ横のカップルの女子が大笑いを始めました。モニタリングが面白いのでしょう。私は一向に構いません。ラーメンに集中すればいいのだから。私は、我々は運ばれてきたラーメンとチャーハンに集中してスプーンと箸を器用に使いそれらを食しました。その最中、女子の大笑いはやまず、女子の眼前の男子は若干のひき笑い。あぁ恥ずかしいのだな、と私は男子に共感し哀れみの情を覚えました。
 結局、我々がラーメンとチャーハンを食べる間ずっと女子は大笑いを続けていました。ラーメンを食べに来ているのか、テレビを見に来ているのか。ここは家なのか。ラーメン屋ではないのか。たくさんの疑問が私の脳に去来しました。
 結句、昔読んだ「ケータイを持った猿」という新書に書いてあった通り、人間はケータイによって空間の違いがなくなり、デパートにさえスウェットで行く時代が到来する。現にコンビニなどではパジャマ姿の人間がいる。って書いてあったのを思い出して、そういう時代が来たのだなと思ったのでした。そして、きっと、あのひき笑い男子は大笑い女子とは別れたであろうと推測しました。
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