Bravers Flag

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主に音楽関連の話題について、自由に記述していくブログです。
不定期更新です。

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ブログを書くのは約9ヶ月ぶりになりますが、書きたいと久しぶりに思ったきっかけは、
やはりBUMP OF CHICKENでした。

一昨日の2月10日 23時30分を10分少々回った頃から届けられたその楽曲は、
画面を通してBUMP OF CHICKENのすべてが伝わってくるような曲でした。

これまでのBUMP OF CHICKENの楽曲と同様に、過去に生まれた曲達とも、
リスナーをはじめ、BUMPに関わる全ての人たちとも密接に結ばれたこの曲について、
今回はその歌詞について考察してみたいと思います。よろしければお付き合いください。

(※ここから先、未発売曲に関するネタバレを含みます。ご注意下さい。)


BUMP OF CHICKEN結成20周年イヤーを締めくくる形で、リスナーと共有された"リボン"
"ガラス玉" "ポケットに勇気" "手作りの地図"など、BUMP OF CHICKENがこれまでに
生み出した楽曲を連想させる言葉が散りばめられています。

まずは、生配信された際に表示されていた歌詞全文をご覧ください。



リボン
BUMP OF CHICKEN
作詞作曲:藤原基央


嵐の中を ここまで来たんだ
嵐の中を ここまで来たんだ
出会って生まれた光
追いかけて

ポケットに勇気が ガラス玉ひとつ分
それぞれ持っている ガラス玉ひとつ分
並べても同じ数
あの日から
始まりから

つぎはぎの傘 汚れたカンテラ
手作りの地図 大事に一緒に
使った

ここはどこなんだろうね
どこに行くんだろうね
誰一人わかっていないけど
側にいる事を選んで
今側にいるから
迷子じゃないんだ


たくさん笑ったり
それよりはるかに少ない
泣いたり怒ったりした事の全部が
音符になって繋がって
僕らを結んだ

ポケットに恐怖が 宇宙と同じくらい
それぞれ持っている 宇宙と同じくらい
同じ時に震えたら
強くなれた
弱くなれた

指差したUFO すれ違った野良猫
あくびのユニゾン あと何があった
教えて

意地や恥ずかしさに負けないで
心で正面から向き合えるよ
僕らを結ぶリボンは
解けないわけじゃない
結んできたんだ


君の勇気を
僕が見れば 星だ
並べても同じでありたい
あぁ ここはどこなんだろうね
どこに行くんだろうね
迷子じゃないんだ

嵐の中を ここまで来たんだ
嵐の中を ここまで来たんだ
カウントからせーので息を読み合って
泣いたり怒ったり笑ったりの全部で

嵐の中を ここまで来たんだ
出会って生まれた光 追いかけて
嵐の中をどこまでも行くんだ
赤い星並べてどこまでも行くんだ




まるで、
"BUMP OF CHICKENのテーマ Part.2"とも言えるような歌詞です。
それでは、初めから順に追っていきたいと思います。




"嵐の中を ここまで来たんだ"

"船は今 嵐の真ん中で"
---グングニル

"気付いたらもう嵐の中で 帰り道がわからなくなっていた"
---ファイター

勇気を振り絞った数々の挑戦の結果、いつもかけがえのない楽曲を届けてくれる
BUMP OF CHICKEN。
そんな本人たちにしかわからない、笑ったこと、泣いたことの全部が、臆病者の四人が
嵐の中を進む上での、新しい勇気になっているのではないかと思います。




"出会って生まれた光 追いかけて"

"当然捕まえようとして 届きそうで届かなくて
 追いかけていたら 物語になった"

---firefly


"光"という言葉は、単語としてもモチーフとしても数多く登場します。
"BUMP OF CHICKENの20年が詰め込まれたコンセプトアルバム"のようなものが
あったとしたら、リボンは、そのアルバムの役割を一曲で担ってしまっているような
名曲だと思います。




"ポケットに勇気が ガラス玉ひとつ分"

"ガラスの眼をした猫は唄うよ"
---ガラスのブルース

"思いつく限りの夢や理想を 残らずポッケにつめこんできた"
---ランプ

"真夜中 鍵かけた部屋 膨れたポケット 裏返すと
 ホラ 出てくる弱音の数 1日分 想像つくかい?"

---リリィ

"ガラス玉ひとつ 落とされた"
---カルマ


本当に、BUMP OF CHICKENという一編の小説を読んでいるような、
そんな気持ちになるフレーズです。
何度も挫けそうになって、ポケットの裏に想像を絶するほどの弱音を隠して、
それでも前へ進んできたことに、本当のありがとうを伝えたいです。




"つぎはぎの傘 汚れたカンテラ"

"だから今を 未来の果てまで 傘代わりにして"
---時空かくれんぼ


"長靴は嫌い 傘は大好き"
---R.I.P.

"雨上がり差したまんま 傘がひとつ"
---ウェザーリポート

"傘"も意外と登場するフレーズですね。"カンテラ"はランプの一種ですし、
こちらも短い一文の中に、BUMP OF CHICKENを象徴するフレーズが詰まっています。




"手作りの地図 大事に一緒に"

"破り損なった 手造りの地図"
---ロストマン


手作りと銘打たれているのはロストマンだけですが、他にも"とっておきの唄"
"グングニル""arrows""ゼロ"にも地図という言葉が登場します。
作詞に9ヶ月を要し難産だったことで有名なロストマン。藤原基央にとって、

"自分が曲作りをする上で通過しなければならない儀礼のようなものだった"といいます。
発売当時と現在、地図の景色はどのように変わったのでしょうか。




"側にいる事を選んで
 今側にいるから
 迷子じゃないんだ"


"迷子って 気付いていたって 気付かないフリをした"
---ロストマン

"どこにも行かないままで どこにでも行ける迷子"
---三ツ星カルテット

"解り合おうとしたら迷子になる 近くても遠くてややこしくて面倒な僕らだ"
---セントエルモの火


常に、迷いながら、ときには間違いながら歩いてきたBUMPが、"迷子じゃないんだ"
と言い放ちました。個人的にすごくグッとくるフレーズです。
他にも、"オンリーロンリーグローリー""ゼロ""トーチ"などの曲に、迷子という言葉が
登場します。BUMPを語る上で欠かせない言葉のひとつです。




"たくさん笑ったり
 それよりはるかに少ない
 泣いたり怒ったりした事の全部が"


"ボクラいつでも大切なナニカの為に生きてんだ
 何かに笑って何かで怒ってたまに泣いてんだ"

---リトルブレイバー

"怖がりで優しいから 怒った事は何度もない
 その中の一度をあの時くれた事 震えていた声"

---友達の唄


次々襲い来る普通の日々の中にある、笑ったり泣いたり怒ったりしたことの全部。
時々やってくる、鼻の奥がツンとなるような寂しさ。

藤くんの慈愛に満ちた死生観が、高い濃度で凝縮されたようなフレーズです。



"音符になって繋がって
 僕らを結んだ"


"僕らはずっと呼び合って 音符という記号になった"
---三ツ星カルテット

"肩に溢してくれた 涙で出来た 音符を繋いで 盾を作ろう"
---66号線

"誰の声か どうでもいい 言葉と音符があるだけ 君の側に"
---イノセント


近年よく登場するようになった"音符"という言葉。
"音楽を通して伝える"ことを真摯に続けてきた結果、BUMP OF CHICKENの存在自体が
音楽そのものに近付いてきているような気がします。




"ポケットに恐怖が 宇宙と同じくらい
 それぞれ持っている 宇宙と同じくらい
 同じ時に震えたら
 強くなれた
 弱くなれた"


"死ぬまでなんて嘘みたいな事を 本気で思うのは
 生きている君に 僕はこうして出会えたんだから
 そしていつか星になって また一人になるから
 笑い合った 今はきっと 後ろから照らしてくれるから"

---宇宙飛行士への手紙


"死"や、それに付随する恐怖とか、そこから逆算したわけではなく、今目の前に
ただ淡々と広がる"生きている"という現実とか、生きている人なら誰もが幾度となく考える

意味とか、周りにいてくれる人の大切さについて、非常に強くリンクしている部分なのでは
ないでしょうか。



"指差したUFO すれ違った野良猫"

"ガラスの眼をした猫は唄うよ"
---ガラスのブルース

"週末の大通りを 黒猫が歩く"
---K

"汚れた猫が歩いていく 「行き」の道か「帰り」の道か"
---fire sign


"猫"もよくBUMPの曲に登場します。上記以外にも"R.I.P."の中で、自転車置き場
まで
"尻尾の生えた内緒の友達"に会いに行っていた描写がありますが、
犬かもしれないし猫かもしれないので、上記には挙げませんでした。




"意地や恥ずかしさに負けないで
 心で正面から向き合えるよ"


"人に触れていたいと 思う事を恥じて
 嗚咽さえも噛み殺して よくもまぁ
 それを誇りと呼んだモンだ あぁ"

---Title of mine

"いろんな世界を覗く度に いろんな事が恥ずかしくなった"
---真っ赤な空を見ただろうか

"誰だってそうさ 君一人じゃない
 ひどく恥ずかしい事で でも逃げられない事で"

---プレゼント

"痩せ我慢 作り笑い 外だろうと中だろうと
 心を騙さなきゃ 保てない意地で立っている"

---大我慢大会


こうしてリリース順に並べてみると、これだけでひとつのミニアルバムと言っても
差し支えないような関連性を感じます。
BUMP OF CHICKENの楽曲全てに遍在する
"必然性"が垣間見えるフレーズです。



"君の勇気を
 僕が見れば 星だ
 並べても同じでありたい"


"恒星を3つ目印に いつまでだって側にいる"
---三ツ星カルテット


自分以外の三人のことを"星"と呼んでいた藤原基央が、"並べても同じでありたい"
唄っています。この変化に涙した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして"三ツ星カルテット"のこの歌詞は、最後のフレーズとも繋がります。

















"赤い星並べてどこまでも行くんだ"



"あぁ 僕らは君をベッドから引きずり出して
 手を繋ぐため 魔法をかけた
 へなちょこの4人組"

---BUMP OF CHICKENのテーマ


へなちょこの4人組による、"へなちょこの4人組自身""聴いてくれる人"を鼓舞するための
テーマソング。
途中で、自分以外の3人の、余りにも大きいかけがえのなさから生み出された

"三ツ星カルテット"などの楽曲を経て、また星が4つ並びました。
BUMP OF CHICKENと生きてきた時間が濃い人ほど、涙なしには聴けないフレーズと
なっています。



以上、個人の偏見も混じっていますが、これにて考察を終えます。

結成21年目に突入したBUMP OF CHICKEN。
個人的には、楽曲も順調に制作されているとのことですし、またミニアルバムから
スタートする展開になったりすると、非常に胸が熱くなるなと思っています。
やはり、BUMPについてあれやこれやと語るのは楽しいですね。
本記事が、少しでもBUMPファンの方々にとって有益なものとなることを願います。

以上、最後までお読み下さり、ありがとうございました。