メタ認知(心理学用語)ってご存知でしょうか?発達・教育心理学でよく出てくる言葉です。Facebookが改名した社名のアレです。
「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように、現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力
わかりやすく言うと、第三者目線で自分の考えや行動を見る能力です。
発達障害(ASD、ADHA、LDなど学習障害)児のメタ認知が低い傾向について、色々学術的研究がされています。
こちらのレポートをかいつまんで説明すると、
・発達障がい児・者のプランニングやモニタリングなどメタ認知は十分に機能していないことが認められた。
・メタ認知の低下によりコミュニケーション・スキル の低下など社会制御や学力や学習にも影響している
という事実があり、それついての研究云々のあとの結論が以下
(1) 発達障がい児者は、プランニングやモニタリングなど が十分に機能していない。
(2) メタ認知の支援として、自己モニタリ ング指導、ASD 児の自己評価にフィードバックを与えることが ASD 児のメタ認知にとって有効である。
”定型発達児に比べ ASD 児は自分の成績を過大に評価する” ので ”メタ認知が弱め”、しかし、適切にフィードバックを与えればメタ認知が育つらしいとのこと。
ずっとこのままだー(絶望)ではないのですね。
フィードバックはビジネスの場だと指摘や評価のような意味合いで使われますが、要は相手の行動に対しての反応(感想)です。
ここで相手にネガティブ・フィールドバックすると「ダメ出し」になります
こんな感じでしょうか、例えばASD 児が、60点のテストで「ボク結構頭いいね!」と喜んでいたとき。
<よくないフィードバック>
「60点だぞ!現実がわかってないな!」と怒鳴る。
これだけだと、メタ認知の弱さを責めているだけなので、”怒られただけで終了”ですね。
<よいフィードバック>
「すごいね!」(認める、受容)
「クラスで一番高い点数は100点で、平均点は80点だったんだって」(事実)
アレレ?と、本人で認知を変えられるようなフィードバック!
わたし自身、30代になっても、メタ認知ができない人間でした。
「自分の行動を第三者目線で見るのは大事」ってのは、知識としてはありましたが、家族がアレだったので、自分がこう思って良いのかがわからない。
安心して話せる友人もおらず、世間一般的(常識的)な意見はネットの書き込みを参考にするヤツでした。
要は、仕事や子育ての問題、夫から言われた言葉の「アリかナシ」を、ネットの誰かさん書き込みで判断していたのです。
わたしの場合、自ら発言はせず、似たような意見を探して回答を見るタイプです。わたしの考えっておかしくないよね?って自信をもちたかったのだと思います。
Q&Aサイトや知恵袋をROMるのが日常(書込は一切行わない)でしたが、そのうち、忙しくてサイトを見れない時期がありました。
それでも、こう思うのは変かな?という出来事は起こります。でも知恵袋見る時間ない...
そうこうしてるうちに、知恵袋の見過ぎか、頭の中で一人知恵袋をしていたのです
質問者:〇〇でしょうか?
回答者:それは〜〜〜ではないでしょうか。なぜなら...
回答者は「わたしだけど、わたしじゃない人(誰)」
一人知恵袋は、はじめて自分の意見を自分で客観的に見ることができた体験(30代w)でした。これは、今でも役に立っています。
その後、発達障害の息子をきっかけに大学で学ぶ中「メタ認知」という言葉を知り、「このこと(一人知恵袋)か?」と考えるようになりました。