今夜3月1日の夜は旧暦1月14日の夜。
夢流しをする夜でもあります。
夢の中にこれまでためてきたものを天へ帰すことで
内にある夢の貯蔵庫をからっぽにし、新しいものを招き入れる用意をする
こころやあたまを祓う儀式が夢流し。
夢とは、
ひとの願い(夢)であり、
日常のものをじぶんの内に整理するからだのしくみであり、
潜在意識や天からの声、メッセージ、
土地からうけた霊力を調整する機関でもあります。
おつきさまは天の門。
満月におおきくひらく門を通じて夢を乗せた船を流します。
夢流しでまじない絵に描かれる舟の絵は、宝船の原型ともいわれています。
お正月の縁起物として置物や絵として用意される宝船、
一部の神社さんで縁起物として宝船の版画をおうけできる場もあるようです。
▽ 隅田川七福神の宝船の版画
正月元旦から7日までの間のみ入手できるそうです。
原型は、船の上にはなにも積まれていないからっぽの舟だったけれど、
枕の下にいれるものから、目に触れて飾るものに変わっていく過程で
縁起を担いで神様がのっている宝船に変わっていったのですね。
戦前のころまでは、大晦日や節分の時期に宝船売りが街を回っていました。
宝船の絵は枕の下に敷いたり、枕元に飾ったりして吉夢を招くためのもの。
宝船売りが売っていた宝船の絵には、回文歌が添えられていました。
回文とは、あたまから読んでも後ろからよんでも同じことば。
”ながきよのとをのねぶりのみなめざめなみのりふねのおとのよきかな”
この歌を3度繰り返して寝ると吉夢が見られるといいます。
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夢流しを辞書で調べてみたら...あららら??
夢流し
悪夢を吉夢にかえること[季語]。
うーん、諸説あるようです
わたしの知っている「夢流し」はこころやあたまを祓う儀式。
悪夢に限らず夢を乗せて流すものです。
夢流しは、初夢(1月2日の夜)、節分の夜(2月3日)に行われます。
2月頃の満月をむかえる前夜に夢舟を書いていた、とは幼かったわたしの記憶。
ひとの魂が活発にうごいているときには、
夢のなかも泥がまきあがったようになっているから、古い夢をすくいあげられない。
願いをとどける船にのせるときにも、古い夢と新しい夢とがまじりあってしまう。
ひとの魂が静かにとどまっている冬の時期に。
魂が活発にうごきはじめる春を迎える前に、
ひとの内に澱として沈んだ夢をそっとすくいあげて船に乗せ
翌日むかえる満月にむけて、じぶんの内にある夢(願い)と一緒に流し届けるもの。
内にあった夢をおつきさまの門をとおして天へ届ける儀式が夢流し。
儀式に使われるまじない絵は、紙にふねと円を書いたもの。
夢を乗せるためのからっぽの船を書き、まわりを円で囲みます。
船の絵の上に手を乗せて呪文を唱えることで、呪をかけ夢舟とします。
呪文は回文。宝船の絵に添えられた回文歌とおなじことばです。
”ながきよの とおのねぶりの みなねざめ なみのりふねのおとのよきかな”
夢舟(の絵)は枕の下に敷いて寝て夢をうつし、翌日の朝、流しに行きます。
京都のとある地域に伝わる夢流しの行事「夢流しの鏡の舟」の節会に参加してきました。
夢流しの鏡の舟の節会の由来は、桜月流blogをごらんください
夢流しの儀式や行事の意味合いも、おおまかな部分では同じですが、
地方によって、まじない絵のかたちや手順などが違うようで、その違いがおもしろい。
▽こちらは、夢流し鏡の舟の節会でつくったまじないの絵
長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り舟の 音のよきかな
”ながきよの とおのねぶりの みなねざめ なみのりふねのおとのよきかな”
これを左右に、鏡文字で書くことで夢をのせる空っぽのふねをとじこめる形です。
円も回文もどこからはじまり、どこで終わるかがみえないものなので、永遠をあらわします。
鏡もじに書いていくことで、永遠の内に封じ込める意味を持たせます。
その中にある船に夢をのせるのです。
船に乗せた夢は、水に流します。
流すことで、じぶんから離すことになり、
空白・あきを作ることになります。
今夜、夢流しをためしてみませんか?
まじない絵は、右手と左手それぞれに筆を持ち、
中央から下へ向かってぐるりと同時に書いてゆきます。
筆をもっていないときには、お手元にあるペンなどで書いてもよいかと。
筆でないときは、サインペンや筆ペンなどが書きやすかったです。
周囲にぐるりとかいているのはまじない歌(回文)
”ながきよの とおのねぶりの みなねざめ なみのりふねのおとのよきかな”
中央にある舟(!)はひとふでがきで。
書き終えたまじない絵は、両手で顔の高さに持ちあげて
じぶんの夢・願いを込めて息を吹きかけます。
...これで呪(しゅ)がかかりました。
今夜(旧暦1月14日の夜)、まくらの下に敷いて眠れば
まじない絵のからっぽの舟に夢を乗せることができます。
今夜、夢を見なかったな。というときも大丈夫です。
人は夢を見るいきものです。目覚めるときに見た夢のことを忘れるようになっています。
夢をうつしたまじない絵は、明日以降、水に流すとよいでしょう。
みていただいたまじない絵は水に溶ける紙に書かれています。
街にすむことになり、時代背景?もあって水に流せないことも多いです。
そんなときには、
水に溶ける紙をつかって水に溶かして下水へ流したり、
キッチンのシンクで火に気を付けて燃やしてみたり、
折りたたんで封筒に入れて封をし、燃えるゴミの日に出したりしています。
季節ごとに伝わる行事(おまつり)は、
星の動きと地上の動き(人の暮らし)をつなぐために続いてきた型。
その中には、人が古くから伝えてきた想いのかけらが残っています。
季節ごとに伝わる行事(おまつり)に関わることは、
じぶんのルーツと向き合う時間
形在り手で触れることのできる物であっても、
見えなくて手で触れられないこころ、願い、かなえたいものであっても
モノ・真理は同じです。
新しくしたいとき、変えたいときは、
まず、あきを作ること。
もっているものを取り除く、祓う、整理することであきはつくられます。
あきは空白。モノのはいるすきとなる。
あきができれば真空ができ、吸い込む力が生まれる。
夢のかたちをかりて、じぶんの内にある
見えない世界にもあきを作り
新しいモノを招き入れる用意を
今夜、夢流しをためしてみてくださいね。
今日も素敵な一日♡ ありがとうございます
巫(神和ぎ;カムナギ) 田村洋子でした。
あなたは今 しあわせです♡
あなたはとっても運がいいです♪
時の流れに乗って過ごします