Orange Day女は一口、チャイティーを飲んだ。真っすぐ前を見据えて。 15時を知らせる鳩時計の音。無機質の温かいリズム。隣の女のキーボードを叩く指。先ほど入ってきた青年のコーヒーを淹れる手。 小さい空気の中を占めているのはそれがすべて。 女はもう一口、チャイティーを飲んだ。 しばらく空間を見つめてからペンを動かす。 リズムが止まる。鳩時計が止まる。彼女の世界が満ち潮になる。