すみれが家にきてから、半月位が過ぎたころだったと思います。
健康診断をうけようと、近所の動物病院へいきました。
その時の様子です。
先生:「どうしましたか?」
私 :「猫を保護しました。健康そうなんですが、健康診断に来ました」
一通りチェックした後、その先生は…
先生:「警察と保健所に連絡しましたか?」
私 :「え?警察?:保健所?」
先生:「そうです。これは犬の事例ですが、保護したつもりの犬が、 実は迷い犬でねえ、 たまたま、昔の飼い主と今の飼い主がスーパーではち合わせし、「 この犬は家の子、いいえこの犬は私が保護した犬…」と問題になったことがあるんですよ」
私 :「そうなんですか…」
先生:「ですから、まず保健所と警察には届けを出してください」
私 : 「わかりました…」
さっそく家に帰り旦那に言いました。
旦那は、「そんな…いまさら返してといわれても…情がうつっているからムリ」
と言いました。わたしも同じくです。
「警察や保健所になんか、連絡しなくてもいい!!」なんて旦那は言うのです。
でも、トラブルになってもいけないので、泣く泣く届けをだすことにしました。
保健所は、「今のところそのような届けがないですが、もしこれからあったら連絡します」
ということで、まずはほっと一安心。
問題は警察です。
恐る恐る警察というか、最寄りの交番へいき、一通り話しました。
いつ保護したか、動物病院の先生に何を言われたか、
保健所も連絡したが届けがなかった…
また、すみれの柄や性格、姿かたちなど細かく聞かれました。
とくに保健所ではまだ届けがなかったことを、声を大にして訴えました。
若い警察官が、
「あっ、そういえば、届けありました!!少し前にありました。
家の猫が逃げて探していると」…
「あ~やっぱり…すみれともこれまでだ…」と私は一瞬にどん底へ落ちすみれを手放す覚悟ができました。
若い警官は、「たしか…一週間くらい前だったかな???」と
ひとりごとをいいながら、
届けなどがまとめてあるなんともアナログなA4サイズの書類の束を、ペラペラとめくりながら探していました。
すこし捲ると「あったあった!!」と、なんとも嫌な声。
若い警察官はいかにも“でかしたぞ”といわんばかりに、
はじけるような大きな声をだしました。
「これですね…」と言われ、私は、「どこに住む誰だ…」ともし可能なら家までいって「ぜひ家の子にください!!!お願いします。」と頼みに行こうか…
と心のなかで思いました。
若い警官は、じーっとその書類を見ていました。しばらくすると、「あれ~~ちがうなあ」とひとりごと。
よくよく見ると、“茶色の猫”ではなく“茶色の犬”でした。
「な~んだ、よかった…」と私。
それで、若い警察官は、「困りましたね…、警察で保護してもいいのですが、ここに預かると、数日で保健所に連れて行かなくてはならないので…。かわいそうですね」と言います。
私は、心の中では「ラッキィ~(*^^)v」と思いながらも「飼い主が見つからなくて残念でした…でもしょうがないので、しばらく家においときます」
それから?
もちろん、元飼い主は出てきません。っていうか、この子はうちへ来るために産まれてきたんだ。
だからずーつとうちの子。
そういうわけで、黒砂糖色をした猫は私の家の大事な
むすめになりました。
黒砂糖色をした猫のものがたりはまだまだ続きます。





