生きている

それだけでホッとした自分がいた

ドラマとかである蘇生法を試すドタバタした現場を想像していたから

すぐに手術ということで運ばれていく母親

目は虚ろで、もしかしたら今生の別れになる?

そう思ったら怖くて何も言えなかった

口にしたらそのことが起こる気がして

手術は5時間くらいかかると言うので、駆け付けた兄弟で話し合った

どういう風に倒れて運ばれたか

現状の見立てはどうか

自然と自分達の現状にも話は及んだ

兄弟でしっかり話をするなんて何時振りだろう

こんなことでしか繋がれないのも親不孝だと思った

手術がほぼ予定時刻に終わり、運ばれてきた母親は顔がパンパンで麻酔が効き反応もほとんど無かった

医師から症状と手術内容を聞かされた

半身にはマヒが出るだろう
リハビリしながら機能回復を目指す
60代だからまだ若いし頑張ってもらおう

60代って若いのか…そこだけが引っ掛かったのは、今後のリハビリや諸手続き、誰が面倒見るか
そんな大事からの逃避だったのかもしれない

つづく