A'sW2-15 何も…
「紫です。というか、間野ゆかりです(笑)
『ナナガイキ』という名前の人が、【ANGEL's WINE】に参戦表明した時は、驚きました。徹、ついにココまで辿りついたんだね…って。
何を聞いていいか、ですが、当面の間は、何も聞かないでください。
突然の事に、困惑しているのは理解しているつもりだよ。
でも…ずっととは言わないから…しばらくの間は、何も聞かないで、ゲームに参加してください。
いつかは分からないけど、お話するつもりですから。
もしメッセージで、この数か月の話を聞かれたら、一切メッセージの返信はしません。
A'sWからの除名はしないけど、首位になってもロイス3にしたようなことは、なくなります。つまり、二度と会わないことになっちゃいます。
今はただ、競馬とA'sWの話が中心なら、メッセージしても良いですよ。
さぁ、函館記念の予想をしましょ♪」
A'sW2-14 何から…
「ナナガイキです。というか、瀬田徹です。
最悪なロイス3に迫って(直接話してないけど)、紫さんの名前、知りました。
ゆかり、、、、一体 俺は何から聞いたらいい?
聞きたいことは山ほどあるよ。数ヶ月前のことから、このゲームのことまで・・・
ありすぎて、直接話したいんだけど、それは今はかなわないんだろうね。
まず俺が聞きたいことは、『何から教えてくれる』????
いろんな事情があるんだと思う。俺も三十路手前の大人だ。いきなり全部とは言わないよ。
でも、やっぱり知りたいし、また会いたい。
返事、待ってます」
A'sW2-13 一生のお願い
紫からのメッセージが届いた翌朝、徹は満員電車に揺られながら、携帯電話を操作していた。
ロイス3にメッセージを送るためだった。
「ロイス3さん、どうしても教えてほしいことがあります!
紫さんは、何という名前でしたか?
どうしても知りたくて……聞いていたら、教えてください!!
大袈裟だけど、一生のお願いです!!!!!!」
この日、徹は仕事が手につかなかった。携帯電話を会社で充電しなければならないほど、携帯からロイス3のメッセージが届いていないか確認していた。
19時ごろ、1通の着信があった。待望の、ロイス3からのモノだった。
「ホントに大袈裟だな…ユカリさんだよ。
たしか、マノ ユカリさんだったはずだよ。
こんなんでいいかな?」
間違えはないようだ。徹は確信した。紫=ゆかりだ。
だが…紫に、いや ゆかりに、どのようにメッセージを送っていいのか、徹は頭の整理がつかなかった。
A'sW2-12 紫の突然
「こんばんわ。
ロイス3から、日曜日のことは何か聞いてたんでしょ。どこまで話しているか、分からないけど。アイツ、おしゃべりみたいだからね。
もう貴方には話してしまうよ。第1ピリオド優勝のロイス3に、特別に一緒に競馬観戦することにしたんだ。正しくは、私の地元のエクセル田無での観戦だけどね。
でもさぁ、アイツ、最悪。
35歳くらいだって言ってたけど、今までの競馬のうんちくや自慢のオンパレード。競馬終わって食事をしたけど、ライスシャワーについて1時間も語られた。そりゃライスシャワーは知ってるけど、こっちは現役時代知らないし。
そして…何より嫌だったのが、ボディタッチしてくるんだよ。何度となく。
さりげないつもりなんだろうけど、下心ミエミエ。一緒に競馬して、少しお酒飲んで、お開きにした。もう耐えられなかった。
ロイス3とは二度と会いたくないと思った。でも、この【ANGEL's WINE】は続けていくよ。追放もしない。自力でアイツを上回らなければと思うけど、なかなかうまくいかないね。そういった意味では、ナナガイキさんに期待しているよ。
ナナガイキって、前から思ってたけど、変なニックネームだよね。瀬田徹さん(o^-')b 」
徹は、SNSのメッセージを見て、愕然とした。
茫然自失とはこのことだ。
ロイス3の言う『ご褒美』が2人のデートであることは、最悪事態として想定はしていた。
だが、そんなことはどうでもよくなった。
「俺の本名をなぜ、唐突に出してきたんだ、紫… いや、ゆかり…」
紫=ゆかりの可能性が飛躍的に増加したことよりも、なぜこんな突然のタイミングで、徹の本名を出してきたのか。意図が全く分からない。
徹は思考回路が停止したまま、その日は返信することができなかった。
A'sW2-11 我慢できない
海の日の昼、ロイス3から徹にメッセージが入っていた。
「いやまぁ、ご褒美の内容は秘密なんで、すんません。
でもアツかったよ、田無は。。。 これ、ヒントね。
それはそうと今度はそちらが『ご褒美』もらえそうだね~」
徹はロイス3の文章に再び嫌悪感を覚えたが、気になった点があった。
田無?
紫が今住む西東京市の中核都市であり、ゆかりの実家がある場所である。だが…他に何がある?
そう考えたとき、1つの情報が頭の中を駆け巡った。
「田無に、JRAの施設ってなかったか?」
急いでJRAのホームページを見た。そして、見つけた。
会員制のエクセルフロアだったので、今まで興味がなかったが、西東京市に住む紫が、エクセルフロアの会員であっても不思議ではない。「WINS立川の方が(府中より)近い」という紫の表現は引っかかったが。
「待てよ、待てよ…」
なんとなく「ご褒美」の内容が想像できてきた。いや、想像したくなかったものが、現実味を帯びてきた。
中途半端な情報、状況。耐えられない。
半ば無意識のうちに、徹は紫にメッセージを送っていた。
「ナナガイキです。なんか首位独走のようで…(;^_^A ゲームつまらなくしてたらゴメンネ。ちなみに実馬券は、またハズしてしまった(大汗)
僕は昨日はPATで参戦しましたが、できれば新潟まで行って、直線1000mを観たかったです。
紫さんも昨日はPATですか? 僕は新潟競馬場行ったことあるけど、1000mのライブ観戦は最高です。
…まとまらない文章でゴメンナサイ。今回紫さんのポイントは減っちゃったけど、実馬券は獲ったんではないですか? では!」
エクセル田無