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ニートの僕が子育てをしたら

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第三章 ニートの僕が子育てをしたら 最終話

大きな大きなプレゼント (後半)

「お前ら三人は優秀な研修生だった。良くここまで私の講義についてきた。ご苦労様。今まで、俺が色々とビジネスについて話をしてきたことを忘れないように。これから、様々なことをお前らはビジネスの現場で体験するに違いない。時には心が折れそうな場面にも遭遇するだろう。でも、大丈夫だ。自分を信じて、俺がこれまで教えてきたことを思い出せ。どんな難題に遭遇しょうと、必ず打破できる。俺はお前達を信じている」

そんなダイゴ先生の叱咤激励に三上さんが涙ぐんでいる。
もちろん僕も。

「お前ら三人の就職の件だが、バーチャル・パレンツ社は喜んで引き受け入れてくれるだろう。実際に社員として働くのはもう少し後にはなるが、しっかり頑張れよ。そして、これからお前らは不思議なことに出会うことになる。このバーチャル・パレンツの世界とお前らが現実と認識している世界が交差する不思議なできごとが、お前らの毎日に起こるだろう。まぁ、最初は戸惑うかも知れないが、すぐに慣れる。楽しみにしているんだな」

とダイゴ先生が笑っている。
すると今野君が、

「不思議なことって……何ですか?」

とダイゴ先生に聞くと、

「まぁ、実際に現実の世界で生活をすればわかることだが……まず当たり前のことだが、お前ら三人はバーチャル・パレンツの世界で知り合った関係だよな?つまり、現実の世界では、三人が三人とも面識が無い訳だ。この世界は自分の理想とする姿になれるという点を踏まえると、お前ら三人の現実の世界での姿とバーチャルパレンツの世界の姿は、もしかしたら違うのかも知れないよな。どうだ、坂上?」

とダイゴ先生が突然、僕に質問をした。

「確かにそうです。僕の認識している現実世界での僕は、ただの無職で引きこもりの男です。髪も伸ばし放題、髭も無精髭でこのバーチャルパレンツの世界での僕の姿とは違いますね」

と少し照れながら、現実の世界の自分の本当の姿を告白した。
すると三上さんが、

「私も坂上君と同じようなものだわ。この世界の私は明るい雰囲気だけど、現実の世界での私は少しおとなしい感じの印象だと思う。そう考えると、現実の世界で坂上君と今野君に会うのは、なんだか少し恥ずかしい気がする」

と僕と同じように恥ずかしそうな顔をしている。
今野君も、

「そうだね。現実世界の僕とバーチャルパレンツの世界の僕も違うな。現実世界の僕は太っているから。二人に笑われないようにダイエットしなければならないな」

と今野君が笑っている。
僕たち二人も今野君につられて笑う。

「でも、すぐに現実世界でも三人は打ち解けるだろう。なぜなら、この研修で三人は互いに協力して、様々なことを乗り越えてきたよな。その体験は三人にとってかけがえの無いものだ。現実世界であろうとバーチャルパレンツの世界であろうとお前らはお前らだ。現実世界でも、互いに切磋琢磨し、お互いを高めあって欲しい。まぁ、お前らとは現実世界でも、また会うことになるしな……」

と気になることを最後にダイゴ先生が言った。
そんなダイゴ先生にたいして三上さんが、

「現実の世界のダイゴ先生はどんな感じなのだろう?」

とぼそっと呟く。
するとダイゴ先生が、

「あはは。多分、お前らの知っている俺ではないだろうな。現実の世界で会うと、多分わからないだろう」

と笑いながら、

「それでは研修はこれで終わりだ。このプログラムで学んだことや経験したことを活かして、現実の世界でも頑張って欲しい。また会うことになるだろうが、お前らの成長をこれからも楽しみにしているぞ。早く立派になって俺を喜ばせてくれ。では、本当にお疲れ様」

とダイゴ先生が言い終えると、僕たち三人は立ち上がり、

「本当にありがとうございました」

と頭を下げた。

僕はこれから、現実世界で生きて行かなければならない。

大津島のプログラムそして今回、受講したビジネスプログラムでの経験を活かして、僕は現実の世界で今まで無駄にしてきた時間を取り戻す。

これからの僕は今までの僕とは違う
今までの僕から卒業して、新しい自分を育てよう。

現実の世界での僕がどこまで通用するのかはわからない。
でも、

僕ならやれる
いや、やらなければならない

このバーチャル・パレンツの世界で僕はたくさんのことを学んだ。
そしてたくさんの人達と出会い、多くのものを頂いた。

これらの財産を大切にして、僕はこれからを大切に生きる。

よし、がんばるぞ。

(第三章 終わり)