ヤンキースの敗退が決まり、イチローはほとんどの同僚が引き揚げた敵地のロッカールームで、静かにこれまでの戦いを振り返った。
-やり切ったことと、やり残したことは何か。
「それ(結果)に至るまでのプロセスでもっとやっておけばよかった、というのは一切ない。ですが、結果としてもっとできることがいっぱいあった。このチームはワールドシリーズに出ることが最低ラインみたいな宿命を背負っているから当然ですね」
-ジーターが左足首を骨折し、主将不在のまま戦いが終わった。
「ベストメンバーでグラウンドに立ちたいというのは当然のこと。でもこれも野球の一部。ジーターがいなくなって、こういう形でスイープされて(4戦全敗)というのが情けない」
-ヤンキースの一員としてプレーすることの苦しさ、喜びをどう捉えているか。
「ここでしか味わえないものは確実に存在するということ。ただ、これまでシアトルでプレーしてきて孤独を感じる時間がすごく多かったんですが、そこで自分なりに戦ってきたことは、確実に自分の力になっていたと思った」