マリナーズの川崎は1打席、それも1球でファンの期待に応えた。6回の守備から2番・二塁に入ると、8回先頭で榎田の初球を叩き、左翼線に弾む二塁打。イチローに負けない歓声が東京ドームを包んだ。
立場はマイナー契約の招待選手。しかし、悲そう感は全くない。試合後の会見。
「ベリー、ベリー、ハッピー」「アイ エンジョイ マイセルフ」。日本語の質問にもたどたどしい英語で答え、同席したウェッジ監督を笑わせる。
オープン戦で打率.387をマークした成績だけでなく、明るい性格でもはやチームに欠かせない存在だ。
既に開幕メジャーは確実。丸刈り頭の川崎は「訳の分からない日本語で話しても受け入れてくれるチームには感謝している」と言い、最後に「正々堂々、誇りを持ってプレーすることを誓います!」と高校球児のように締めた。
背番号61は心から野球を楽しんでいる。