第84回センバツ高校野球大会第1日(21日、甲子園)被災地への、全国への思いを言葉にこめた。
約2分15秒の選手宣誓。スタンドから起きた拍手に、石巻工・阿部主将(3年)の表情も和らいだ。
「拍手が聞こえた瞬間、達成感ですっきりした。100点満点です」
文面は自分の考えたものに、部員全員の思いを加えて再考。
17日夜に完成した。発熱で20日の開会式リハーサルを欠席し、ぶっつけ本番だったが見事に大役を務めた。
チームにも津波で家族を亡くしたり、現在も祖母が行方不明の選手がいる。阿部自身も自宅1階部分が浸水した。
そんな状況でも忘れなかったのは、宣誓文にもあった笑顔だ。
「つらいときでも、笑顔を忘れなければ元気になる」
そうやって多くを乗り越え、ここまできた。
22日の1回戦・神村学園戦でも笑顔を忘れず、今度は感謝の気持ちをプレーにこめる。