Ⅰ.診断結果 (H260707 Txx大学 附属病院)
膵体部癌、胃リンパ節転移、遠隔転移、腹膜播種、腹水貯瘤と診断される。
①上腹部特殊造影MRI
・まとめ(Impression):膵体部癌、リンパ節転移
写真:MRI/MRCP (H260630)
②PET検査
・Impression(まとめ):膵体部癌、腹膜播種および癌性腹水貯留と思われます。原発巣の進展範囲、脈管との関係などは造影dynamic CT を優先してご評価下さい
写真:PET/CT (H260704)
③腫瘍マーカー
・CA19-9(200.1) が上昇している。糖尿病があると上がるが、ここまで高くはならない
写真:血液検査 (H260616)
Ⅱ.診断結果の用語解説
①膵体部癌:すいたいぶがん
・膵臓の中心部に癌があること
・膵頭部がんと同じように上腹部痛や腰背部痛が主症状です。また、膵頭部がんと共通した症状として、体重減少、腹部膨満、便秘、下痢などの症状があります。ただ、膵体部・膵尾部がんでは、膵頭部がんと比べると黄疸も出現しにくくなるため、 頭部がんに比べて発見が遅くなり、切除不能例で診断される場合も多くなるそうです
②リンパ節転移:りんぱせつてんい
・膵臓の周りのリンパ節や胃のリンパ節などに癌が転移していること
・膵癌は、小さいうちからいろいろな所へ飛び散る(=転移する)
③腹膜播種(腹膜転移):ふくまくはんしゅ(ふくまくてんい)
・播種とは、種がまかれるように体の中にバラバラと腫瘍(がん)が広がることです。がん細胞が臓器の壁を突き破って、腹膜に広がることを腹膜播種といいます
・お腹(腹膜)に映らない砂粒の様な細かな癌があり散らばっている
・腹膜播種があるため、癌性の腹水がある
④癌性腹水貯留:がんせいふくすいちょりゅう
・骨盤底(ダグラスカ、お腹の一番下)に水が貯まっていて、PET-CT検査によるとその腹水自体にFDG集積があり癌と思われる。映らない細かな癌が水を出している
⑤ポリープ(Polyp)
・茸状(きのこじょう)卵球状(らんきゅうじょう)の隆起腫瘤(りゅうきしゅりゅう)
⑥癌:がん
・悪性腫瘍(あくせいしゅよう)、悪性新生物、細胞の分裂が不規則になって無制限に増殖し、生体を死に至らしめる病気
⑦抗がん剤:こうがんざい
・癌をやっつける薬。弱い薬では効かない。強い薬(FOLFIRINOXプロトコル)は副作用が強いが、現在最も効くとされる。治りきる人はそんなにいないので、何か追加で出来る日時が増える程度と考えるべき
⑧抗がん剤を使わないと
・現在の診断で確定とした場合、数か月の命ということもある(書籍等では膵癌だと3~6か月との記述あり by 私)、抗がん剤で奇跡を起こしたもないわけではない
つづく