でも何か気まずい雰囲気を変えたくて
「あ、ねぇお好み焼き作らない?
私作るよー。」
と言った私に
「俺も作ります」
チーくんが隣で作り始める
私がひっくり返すのを失敗してグシャっとなったお好み焼きを横でニヤリと笑った後
さらりと簡単にひっくり返しきれいに成功させるチーくん
「料理得意って言ってませんでした?」
チクリと言うから
恥ずかしくなる
「もーぅチーくんそんな意地悪言わないで〜」
ほんとにチーくんは何でも器用にこなしちゃうんだなぁ
天才だよ
一方ユーさんは、、
お箸でドラム叩くように遊びながら
「まだかな~まだかな~
お好みやきぃ~はやくぅたべたぁい」
即興で歌って待ってる
ほんとにこどもみたいで可愛いすぎる
「はい、ユーさん、お待たせ」
出来たてのお好み焼きが入ったお皿を差し出す
彼は
私の形の崩れたお好み焼きと
売り物のようなキレイなチーくんのお好み焼きを比べて
「スミレちゃん、形悪くない?
チャンミナのほうが美味しそうだけど、、」
ユーさんまで!!
開き直るしかないな
「いいのいいの!
形は悪いけど愛情たっぷりだよ
はい、あーん」
仕方ないなぁ、
という顔で 寄ってきた彼に
食べさせてあげようとしたその瞬間
「ドドーン!」
と打ち上げ花火の音が響き渡る
ええっ?!!
口を開けたままの彼と
箸が止まった私
「わぁ、花火だぁ!!!!」
ビックリして固まる私に
「スミレちゃん落とすよ、早くちょうだい」
私の止まった手を自分で口に持っていった彼
お好み焼きどころじゃない
「ユーさん、どうして?
今日花火大会だって知ってたの?」
ここから少し距離はあるのだろうけど
大きな花火はかなり近くに見える
「うん、これ、おいひいねぇ」
ハフハフ言いながらニヤける彼
モグモグした後にゴクッと飲み込むと
「スミレちゃん花火見たいって言ってたでしょ?
これ結構おいしいよ
もう一口、あーん」
花火そっちのけで口を開ける
もう、やられっぱなしだよ、、
「ヒョンは花火よりお好み焼きですねぇ
ヒョンはこういうサプライズが大好きなんです
よくやるんですよ、
先にバレますけどね」
冷静に花火を見ていたチーくんが言う
チーくんもサプライズされてるの?
二人は正反対の性格で、
だからこそ、うまくやれるんだってユーさんは口癖のように言う
二人は何でも分かりあってるんだよね
やっぱり
それを目の当たりにすると
ちょっと切ないなぁ、、、
そうなんです。忘れてたと思いますがお話の中はまだ夏でした。