◆「吉原ラメント ~男遊郭に咲いた恋~」-
三瀬=小野友樹
あらすじ
江戸に咲く花街、吉原。いつからかここは、女の花街「東吉原」と男の花街「西吉原」に分かれるようになった。西吉原は、粋な娘さんたちが、傾城と呼ばれる男たちと恋人ごっこを楽しむ街。生き別れた弟を探しにこの街にやってきた貴女が出逢ったのは、西吉原一と名高い傾城・三瀬。馴染みの客になるのを条件に、弟探しを手伝ってくれるという。廓の中で偽りの恋人になったふたり。けれど、三瀬には悲しい過去があるようで……
弟を探しに西吉原に出向いたワタシ。
慣れない廓に
遠巻きに弟を探していた。
そこに面影が弟に似た傾城を見つけた。
あの人は
あの人を上げて下さい。
部屋に入ってきた傾城を見て・・
違う・・
見間違えただけ・・
その傾城は三瀬と云った。
この西吉原では売れっ子らしかった。
ワタシに寄り添い、隣の部屋へ移ろうとする三瀬を
押しとどめた。
怪訝に見る三瀬に、ワタシは此処に来た理由を話した。
「何か知ってるか聞きたかっただけで・・その・・買いに来た訳ではないの・」
三瀬はワタシの話しを黙って聞いてくれた。
「こうしねぇか、俺が弟探しに協力してやる代わりに、おめぇさんが俺の馴染の客になるっていうのは?・・そう・・おめぇさんは吉原に来る度に俺を上げてくれ。俺達は恋人になるんだ。」
その夜は、三瀬はワタシに触れる事はなく
手を繋いで一緒に寝た。
昼間の花街を弟を探して歩いた。
夕立に会い、急いで廓に戻った。
雨に濡れた三瀬は、一層艶っぽかった。
部屋に入るなり、三瀬は障子を閉めだした。
いつもは閉めないのに・・どうして?
「雨はきれぇなんだ・・」
「何故?」
暗い目をした三瀬はゆるゆると話始めた。
昔、馴染みの客と恋仲になった。
三瀬を身請けして一緒になろうと約束した。
何時の日からか、女は廓に来なくなった。
待っても女は来ない
気が狂うほど待ち続けた三瀬は
ある雨の日、色取り取りの傘に紛れて廓を
大門を抜けた。
-足抜けだ-
後でどんな折檻が待ってるか分からない。
でも女に逢いたかった。
女は別の男と所帯を持っていた。
三瀬との事は戯れだった。
本気にした自分がばかだった。
三瀬は廓に戻ってきた。
ワタシは知らない間に涙していた。
「っ、嘘だよっ、全部でたらめだよっ、ちと、おめぇさんの気を引いてみたかっただけさ、手練手管ってやつさ、俺達傾城が良く使うんだ。」
「そんな訳ない・・嘘を付く人は・・そんな傷ついた目をしないわ・・」
「おめぇさん、本当に同情してくれんの・・じゃさ・・買ってよ・・今宵このまま、俺を買ってくれよっ!」
今まで見せた事のない
三瀬の内側を垣間見たようで
ワタシは・・・
「・・頷くなよ・・」
雨の音が酷くなって行く。
その夜、二人は結ばれた。
この足抜けをして・・の理由は
吉原炎上と同じです。
やはりその時も、ヒロインは廓に戻っています。
小野ユウの声が・・凄い好き♡
後半は、弟の話しへと移ります。
弟は・・とうに亡くなっていました。
三瀬も実は知っていました。
なかなか、彼女へ言い出せず
探すフリをしていたのでした。
どうして言ってくれなかったのか、責める彼女。
此処で金を落としてくれる為に、嘘を付いたと言う三瀬。
この辺りのやり取りも、良いです。
『ミュージックシチュエーションCD』
この吉原ラメントを
モチーフにシナリオは仕上がっているので
こちらを聞いてから
ドラマCDを聞かれると宜しいかと思います。
小野クンの歌も色っぽいっ。