2021/09/04 土
映画『 シャン・チー / テン・リングスの伝説 』
夫と観に行ってきました。
不要不急の外出ではあるけれども……
近所の小さな映画館なので、
都会の映画館へ行くよりは安全かなと思います。
座席もひとつずつ空いていました。
久しぶりに新たなヒーローが
ヒーローとしてめざめる、覚悟を決める、
というマーベルらしい 1 本でした。
家族愛がひとつのテーマで、
シャン・チーのお父さんがヴィランなのですが、
私はそのお父さんに
ものすごく感情移入してしまい、
ものすごく泣いてしまいました。
全然泣く場面じゃないところでも
ずっと泣いていました。
最愛の妻を亡くした彼と、
娘を亡くした自分を重ねてしまいました。
お父さんもきっと本当はわかっていたはずです。
お母さん ( 妻 ) が死んだこと、
もう戻ってはこないことを。
お母さんの亡骸を直接見ているし、
きちんと埋葬したはずです。
誰に殺されたかも知って、復讐もしました。
そんなわけない、生きているはずがない
とわかっていても、
魔物の囁きを信じてしまうのです。
それにすがるしかないのです。
不幸なことに
お父さんにはものすごい力があります。
その力を使えばお母さんを取り戻すことができる
と言われるのです。
お母さんの声で「助けて」と
呼びかけられるのです。
もしも私が力を持っていて、
その力で双子を取り戻せると言われたら、
どこへでも行くし何でもやります。
嘘だとわかっていても、信じたい。
むしろ疑うことが罪であるように
感じてしまうでしょう。
娘たちのために! と何かしている間は
私自身が救われるのです。
お父さんもそうだったんだと思います。
妻のために! って必死になることで
自分自身を救っていたのだと思います。
自分のせいで愛する人が死んだと、
自分を責めているからなおさらです。
お父さんは過去に自分が恨みを買った相手に
お母さん ( 妻 ) を殺されたので、
自分のせいで妻が死んだと、
自分を責めていたと思います。
もしもリングを外していなければ、
あの日出かけていなければ、
ああしていたら、こうしていれば、
守れたはずなのにと、
タラレバを繰り返し、
後悔と自責の念を抱えて苦しんでいたと思います。
私もそうです。
ずっと自分を責めています。
タラレバは考えても仕方がないとわかっていても、
いつも頭から離れません。
私は娘たちの声を聞いたことがないけれど、
お父さんはお母さんの声を知っています。
その声を信じないなんてことはできないでしょう。
わかります。
ター・ロー村でお母さんの遺影を見たお父さんが
お線香を上げて手を合わせるシーンがあります。
お母さんは生きて村に閉じ込められている
と信じて助けに来たはずなのに、
その行動は矛盾している、
というレビューをいくつか読みました。
たしかに不自然に見える行動です。
でも、その矛盾こそ、
大切な人を亡くした人が抱える自然な気持ちなのだ
と私は思います。
何度も言いますが、
お父さんはお母さんがもう亡くなっていることを
本当はわかっているのです。
だからお線香を上げたのです。
それでもなお、お母さんを助けるために
ター・ロー村を襲うこともやめられないのです。
そうしないと自分が壊れてしまうのです。
私もきっとそういう矛盾を抱えて
生きていかなければならないのでしょう。
辛いですね。
サルビア
『 尊敬 』 『 知恵 』
