1.初めに
課題曲の楽譜を貰った時、楽譜の先頭に付いているシャープが気になるkagekatsu です。
今まで、バイオリンの指番号を言われるがまま振って練習していました。
でもシャープが増えれば増える程複雑 な楽譜、楽曲と云う訳でもなさそうです。
難易度とはあまり関係ない?様です・・・。
臨時記号もあるけど、それは小節の中で完結する記号ですし・・・。
そんな事を考えていると混乱するので、まずは楽譜の先頭に付いている記号である「調号」に
ついて考える事にします。
2.基本ルール
調号とは、その曲の調性を示すもので、調性というのは簡単に言うと、「どの音が主音(主役の音)
で主音以外はどういう音階(どうゆう音の構成なのか)になっているか」を示すものです。
※音階の名称と主音名が組み合わさって調名が確定します。具体的には、「ハ長調」とか「Aマイナー」というもの。
① シャープの付く順番は「ファ(F)- ド(C) -ソ(G) - レ(D) - ラ(A) - ミ(E) - シ(B)」の7通り
先ずは、各国(イタリア語、日本語、英語、ドイツ語)の音名対応表を考えます。
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド は、イタリア語。日本語では、ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ ハ。
英語は、C D E F G A B C です。
また、#がつく(半音上がる)は、「嬰」がつきます。たとえばドのシャープは「嬰ハ」と呼びます
♭がつく(半音下がる)は、「変」がつきます。ミのフラットなら「変ホ」と呼びます。
英語の場合はC# E♭ 、ドイツ語の場合は Cis 、Esと表記すればOKです。
長調、短調は、英語ではMajor、Minor。ドイツ語では、Dur、molです。
上記表のタイトル「音の所属」について・・・
音階のそれぞれの音には、音階上での機能を表す名称が付けられています。
(※ハ長調(C Major)を例に説明します)そして、それぞれに役割があります。
ド :第1音・主音(しゅおん)
一番核となる音、安定する音で、曲の始め、終わりはたいていこの音です。
レ :第2音・上主音(じょうしゅおん)
主音の上だから上主音。主音と中音をつなぐ。
ミ :第3音・中音(ちゅうおん )
主音と属音の真ん中だから中音。音階の性格を決める。とても重要。
ファ :第4音・下属音(かぞくおん)
主音・属音に次いで音階の中核を成す。主音の4度上だが、主音の5度下ともいえる。下の属音だから下属音。
ソ :第4音・属音(ぞくおん)
主音に次いで重要な音。柱みたいなもの。
ラ :第6音・下中音(かちゅうおん)
下属音と主音の真ん中だから下中音。中音ほどではないが音階の性格を決める。
シ :第7音・導音(どうおん)
その名のとおり旋律を主音へ導く音。
② 調名はシャープがついた音の次の音になっている
新しくシャープが付いた音の次の音が調名になる。たとえばト長調は「ファ(F)」にシャープが付くの
で 「ファ(F)」の次の音は「ソ(G)」ですから、「ソ(G)=ト」つまりト長調(G Major)になります(※1)。
※1:調名の命名規則は「5度上」に刻んで進んでいきます。
③ シャープを5線譜のどこにつけるか
上に向かってつけていきます。五線をはみ出してしまう場合(加線が必要になる場合)、一番下に
戻ってまた上に向かっていきます。
3.調号の種類
① ハ長調(C Major) または イ短調(A Minor)
まずは基本、ハ長調。なにも記号はつきません。 「ド」の音が主役です
② ト長調(G Major) または ホ短調(E Minor)
シャープ(#)が一つついていますね。 「ファ」にシャープがついています。#が一つの調号は、
これしかありません。 また、「ファ」は、下のほうにありますが、そこに#がつくことはありません。
③ ニ長調(D Major) または ロ短調(B Minor)
#が二つになりました。先ほどの「ファ」に加えて「ド」がつきました。 この調号は「レ」が主役です。
シャープが二つつく調号はこれ以外にありません。
たとえばファ#とソ#の調号は存在しません また、シャープの位置もこの位置以外はありません。
④ イ長調(A Major) または 嬰ヘ短調(F Sharp Minor)
シャープがまた一つ増え、「ソ」がシャープになりました。
⑤ ホ長調 (E Major) または 嬰ハ短調(C Sharp Minor)
今度は「レ」がシャープになり、シャープは4つになりました。
この辺で感の良い人はつぎはどの音がシャープになるかわかると思います。
⑥ ロ長調 (B Major) または 嬰ト短調(G Sharp Minor)
「ラ」の音がシャープになりました。 どうやら前にシャープがついた音を含めて5つ上の音にシャープが
ついていくようです。
つまり前回は「レ」にシャープがついたので [レ-ミ-ファ-ソ-ラ] 5つ上の音にシャープがついてます。
5つ上の音のことを「5度上の音」と呼びます。
⑦ 嬰へ長調(F Sharp Major) または 嬰ニ短調 (D Sharp Minor)
「ミ」にシャープがつきました。前回は「ラ」だったので、その5つ上(ラ-シ-ド-レ-ミ)の音が#になって
います。 「ラ」の5度上になっていますね。
ピアノをやっている人は「ミ#」という言葉に違和感を覚える人もいると思います。 「ミ」と「ファ」の間に
は黒鍵がありません。 「ミ」のシャープはない? 「ミ」のシャープはちゃんとあります。
シャープは「半音上げる」という意味です。「ミ」と隣あう音は「ファ」です。
だから「ミ」のシャープは「ファ」と同じ音です。
次回
バイオリンの指板との関係について考えてみます。
Minor(♭)系の音階も気になりますが、弦楽器では?現状ひとます必要なさそうなので割愛します。