ルポライター杉山春さんの  オンライン講演会を終えて


 2022年北京オリンピックの閉会式が行われています。

    昨日、児童虐待のルポライター杉山春さんのオンラインセミナーを開催しました。

   虐待とDVはつながっています。

   うまく子育てできない母を残虐だと言うことは簡単ですが、その背後にDVが隠れているそうです。DVは暴力ですが、暴力をふるう目的は支配とコントロールです。

    いくつかの取材した事件の中で、コントロールされて、自分がDVされているという認識もなかったり、PTSDによって記憶がなくなっている母もいらしたそうです。


 今放映中のドラマ「ミステリーと言う勿れ」のなかで、主人公「久能整」(菅田将暉)がこんなセリフを言ってます。


    常々思っているんですが、どうしていじめられてる方が逃げなきゃならないんでしょう。

 欧米の一部では、いじめている方を病んでると判断するそうです。いじめなきゃいられないほど病んでる。だから隔離してカウンセリングを受けさせて癒すべきだと考える。でも日本は逆です。いじめられてる子に逃げ場を作ってなんとかしようとする。でも逃げると学校にも行けなくなって損ばかりすることになる。DVもそうだけど、どうして被害者側に逃げさせるんだろう。病んでたり迷惑だったり恥ずかしくて問題があるのは加害者のほうなのに。

 たとえば歩いてて知らない人にいきなり殴られたらすぐまわりに言うでしょう?それと同じように先生や親に、あいつにいじめられたよって、あいつ病んでるかもしれないからカウンセリング受けさせてやってよって、みんなが簡単に言えるようになればいいと思う。

 (いじめを受けていた男性)いじめてる方が病んでる?オレのせいじゃなくて?

 そういう考え方にみんながなればいいと思う。


 虐待を考えるとき、その背後にトラウマとそれに伴うPTSD、そしてDVの可能性を感じ取り、正しい知識をみんなが持つ必要があると思いました。

 そして、DV被害者にはDVの真実を、加害者には加害者用のプログラムを学べる環境を作りたいと思います。


 講演会を聞きながら、夫であり父親が権力を持つという形でしか家族の中で自分を表現することができなかったのかと思いました。

 そして、その権力という信頼で結びついていない関係は、彼をも不安なものにしたのではないか、というふうに感じました。

 

 杉山春さん、良い講演をしていただきましてありがとうございました。