私の中で、あさきり(瀬奈じゅん×霧矢大夢)超えをした、れこちな(月城かなと×鳳月杏)。

明日、ついに、月組トップスター月城かなとさんが、宝塚最後の日を迎えてしまう。


今日の前楽を中継で観ながら思ったことは、

この二番手の鳳月さんの姿も最後だということ。

次からは、誰よりも華やかで豪華な衣装を身に纏っている、トップスターとしての鳳月さんになっているということだ。


鳳月さんのトップはもちろん楽しみだけど、

今しかない二番手というのも、もうこれで最後なのだ。

自らが輝きながらもトップを支える二番手を、私は好きだ。


その昔、宙組の『誰がために鐘は鳴る』の大劇場公演を(初日直後くらい)観劇したとき、なぜか「蘭寿とむさんの二番手姿は、もう見られない気がする」と思い、ギリギリで千秋楽チケットを手に入れた。

(その公演中の11月15日に、蘭寿さんの次期花組トップスターの発表があり、観劇を増やしてよかったと思った記憶がある。)


二番手はお芝居だと実は、トップさんよりも美味しい役だったり、人物的に面白い役や、癖のある役が回ってきたりする。

もちろん、トップありきであり、トップと相手役との関係もあるので一概には言えないが、月城さんの二番手時代『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』のリチャードや『ピガール狂騒曲』のシャルルは、とても大好きだった。


『今夜、ロマンス劇場で』の俊藤龍之介なんて、鳳月さんじゃないと絶対に演じられない役だったと思う。

そう考えると、月城さんと鳳月さんはタイプは全く違うけども、役者としての面白味がとてもある人だと思う。


トップさんは、最後まで舞台を全うするという気持ちの中、次期トップを担う人は、送り出すと役割とともに、それを受け継ぐという大きな使命を持っている。

今、私たちが見守っている舞台は、まさに、次のランナーへタスキが渡される、その瞬間に立ち会っているのだ。

そこにあるのは、一緒に作品を作ってきた同志でもあり、この感情を分かり合える者同志の月城さんと鳳月さんだけなのだ。

だから、この二番手の今の姿も、目に焼き付けたいのだ。


今しかない、このメンバーでのこの瞬間。

明日の大千秋楽も、しっかりと楽しみたい。


(明日は、自宅で配信。周りを気にすることなく、気がすむまで、泣きそうな気もするけどね。)