通常、ワインのセールスにおいて最も重要視される購買層は20~40代の女性であるが、ワイン販売大手のメルシャンはこのたび、40代以上の男性向けのワインブランドを設定したと発表した。ビールや発泡酒のシェアに食い込み購買層の拡大を狙う。


 新しいワインのブランド名は「わいのワイン」。中年以降の男性にとって親しみやすいネーミングにより、抵抗なく購入できるよう配慮したとの事。
 第一期として発売するワインは赤白一種類ずつで、赤ワインは主にボルドーで作られるブドウ品種「メルロー」でつくられた「家族で楽しめるろー」、白ワインはシャルドネでつくられた「このワイン、おしゃれどね~」。第二期以降に発売するワインに関しても企画会議は順調に進み、現時点ではマルベックでつくる「なるべっく早くお飲み下さい」やセミヨンでつくる「五臓六腑に、しみよんるなぁ」の発売が予定されている。

 また、著名なワイン評論家である堀賢一氏からは、有名芸能人の写真をラベルにあしらった「泉ピンコ・ノワール」はどうか、とのアイデアも寄せられたと言う。


 新シリーズを企画したメルシャンの新規開発部課長の末高富夫氏(56)は「同世代の男性の好みを考えてつくった、おそらく世界初のワインだと思う。特にメルローは口当たりよく、飲みやすい味に仕上げたので「これなら、わしでも飲めるろー!」と言ってもらえると思う」と早くも商品の手ごたえを感じている。


 しかしメルシャン社内でも特に若手社員や女性社員からは反発の声があり、ある社員からは「親子関係、特に父親と娘の関係に重大な影響を与える恐れがあり、一種の賭けの様な商品だ」との意見が聞かれた。


 後続商品も期待されるが、ある識者からは「カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランをどう商品化するかが一つの山場になると思う。食べるね、ソースによんく合う・・・ダメだな」と評され、必ずしも前途ようようとは言えないようようだ。