「骨太09」社会保障費抑制せず、与党に確約 閣議決定
http://www.asahi.com/politics/update/0623/TKY200906230345.html



 政府は23日の臨時閣議で、経済財政改革の基本方針「骨太の方針09」を決めた。小泉内閣の「骨太06」以来の歳出削減は形式的に維持するとしながら、年間2200億円の社会保障費抑制を実施しないことを与党に確約。総選挙を控えて財政出動圧力を強める与党に押し切られ、歳出改革のトーンは大きく後退した。


 首相は23日、来週中をめどに10年度予算編成の概算要求基準(シーリング)をまとめるよう与謝野財務相に指示。記者団には「2200億円(抑制)はほころびが出始めて修正しないといけない」と述べつつ、中期的な財政再建路線とは両立していると強調した。


 骨太06は社会保障費の伸びを07年度から5年間で1.1兆円抑えると定め、政府は毎年度2200億円の圧縮を目指してきた。09年度予算編成では230億円程度の抑制にとどまり、事実上方針は破綻(はたん)していたが、今回は骨太決定段階で抑制を見送った。


 政府は「財政再建路線を放棄した」との批判を避けるため、骨太09に「基本方針(骨太)06等を踏まえ、歳出改革を継続」との文言は残した。しかし、2200億円抑制方針の撤回を求める自民党厚労族などの反発を受け、「社会保障の必要な修復をする」「昨年度とは異なる概算要求基準を設定」との記述を追加。さらに与謝野財務相が23日、自民党の細田博之幹事長ら四役、厚労族でもある尾辻秀久参院議員会長と(1)来年度予算で社会保障の自然増はそのまま認める(2)一方で無理のない範囲で節約に努める――などとする覚書を交わした。


 新たな財政再建目標としては、国と地方の債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率を20年代初めまでに安定的に引き下げることなどが明記された。首相は骨太06で定めた公共事業費の毎年度3%削減は原則堅持する考え。一方、首相の指示で、当面の最優先課題として盛り込まれた(1)雇用や地域経済回復などのための経済危機克服(2)少子化対策や子育て支援などのための社会保障強化――が財政出動拡大につながる可能性も大きい。


 首相は骨太09を次期総選挙の政権公約(マニフェスト)に反映させたい考え。ただ、年末の予算編成までに行われる総選挙で、与党が勝利し自公連立政権が継続しなければ、骨太09は白紙となる公算が大きい。(稲垣直人)



 財政諮問会議サマのご意向を破棄しての決定をとりあえず評価したいと思います。ほんとは、そんなん当たり前じゃと言いたいですが、千里の道も一歩からです。二歩目があるかどうか知りませんが。
 というかそもそも「骨太の方針」って何なんだという感じです。この言葉が出た当初から思ってましたが、言葉のイメージ以外にどんな具体的な意味があるのかわかりません。ただごまかしに走ってるだけに感じます。