2009/06/06 22:49 47NEWSより


食品表示違反769件を非公表 農水省、9割消費者に知らせずhttp://www.47news.jp/CN/200906/CN2009060601000465.html



 食品表示に違反があったとして農林水産省が2008年、小売業者などに日本農林規格(JAS)法に基づき行政指導や厳重注意をしたケースは879件あり、うち公表したのは110件だけで、残る769件を非公表にしていたことが6日、同省への情報公開請求で分かった。


 国が把握した表示違反の9割近くは消費者に知らされなかったことになる。農水省は「悪質と判断して是正を指示したケースは公表したが、過失や一時的な違反まで公表すると、業者が受ける社会的打撃が大きい」と説明、消費者よりも業者への影響に配慮した姿勢が浮き彫りになった。秋の消費者庁発足を前に、食品をめぐる情報公開の在り方が問われそうだ。


 違反業者を指導する権限は都道府県にもあり、公表されていない違反はほかにも多数存在する可能性がある。


 共同通信が農水省と各地の農政局、農政事務所に08年の食品表示違反に関する指導や注意の文書を情報公開請求し、開示された。具体的な業者名や販売店舗名、商品名は黒塗りされていた。


 開示文書などによると、非公表とした違反事例には中国産ウナギを「大分県産」「鹿児島県産」「国産」▽養殖のアユを「天然」▽ホルスタインを「松阪牛」▽07年産コメを08年10月に袋詰めし「新米」▽一度パック詰めした肉を詰め直して消費期限を延長-など、明らかに事実と表示が違うケースがあった。



 この手のニュースはほぼ、読み手に「全件公表しなくちゃいかんだろ!」と思わせるような構成にするのが普通で、実際この記事もそうなっていますが、想像で申し訳ありませんが違反の大半は間抜けなケアレスミスで、そんなもの公表してどうするよと言うようなものかと思います。
 もっとも、悪質な事例についても公表するなと言っているわけではありません。どうでもいいことまで公表していてはいくら手間暇があっても足りないと言うだけです。


 例えばJAS法に基づく情報表示の欄の、線の太さが細いとか中の文字が小さいとかでもJAS法違反ですし(ちゃんと線の太さも文字のポイント数もJAS法では決まっています)、必ずしも全ての事例が悪質と言うわけでもありません。
 またJAS法はしょっちゅう、細かくてどうでもいい改正がある法律で、例えば今般の改正では複数原料米(ブレンド米)の表示方法が変わり、今までは「石川県産コシヒカリ60%、その他品種40%」のように%表示だったのが、これからは「石川県産コシヒカリ6割、その他品種4割」と言う具合に割表示になりました。今後、%で表示していたらJAS法違反です。なんと馬鹿馬鹿しい。


 まあそんなこと言ってても、実際に全件公表しないと本当に軽微な事例ばっかりなのか分からないじゃないかといわれれば、確かにそうなのですが、と言うことは農水省のことなど全く信用できないってことですね。気持ちは分からないではありませんが。


 ただ、じゃあといって公表したところで、どうせ官報に載るだけでしょう。消費者の皆さんはそれをいちいち全部チェックしているのでしょうか?公表するということと消費者に知らせると言うことの間にはそれなりに溝があると思うのですが、記事ではそのあたりも誤魔化しているように思えてなりません。