だっそ


Chateau Dassault 1997
シャトー・ダッソー 1997


フランス>ボルドー地方>サンテミリオン地区
品種:メルロー主体、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン


 先日の「ワイン試飲会」 のエントリの最後にこっそりとこのワインを買った事が書いてありますが、実はこれはすごい掘り出し物です。なんと言ってもこれ、3000円で買ったのです(^^)v。
 近年の特にボルドーワインの大暴騰の中、このクラスのしかも10年前のワインが3000円で買えるというのはすごい。店頭に実にしれっと置かれていたので最初気づかなかったのですが、すぐ買おうと思いました。聞いたところによると実際にこれは以前たまたま仕入れたものが残っていただけの品で、今ダッソーの新しいヴィンテージのものを買おうとしても2倍以上はするし、97年などまともに買うとなおさら高い・・・というか元々出荷量の少ないワインなのでそもそも買えません。


 さてダッソーという名前でピンと来た人はもちろん戦闘機マニアでしょうが、実はその通りでフランスを代表する戦闘機メーカーであるダッソー社のお偉いさんの畑で作っているワインです。ダッソーといえばF-16よりかっこいい、タイフーンなんか足元にも寄れないかっこいい戦闘機であるラファールを作っていますが、しばらく前まではミラージュと言う戦闘機でも有名でした。ミラージュって名前はそのままならばかっこよく感じるのですが、日本語に訳すと蜃気楼となってしまい、蜃気楼戦闘機では離陸したままどっかに行ってしまいそうな儚さを感じます。


 ワインとしては、サンテミリオンのワインという点がまず特徴です。フランスのワイン産地として超有名なボルドーには、ジロンド川という川が流れていて、有名なシャトー・マルゴーやシャトー・ラフィット・ロートシルトなどフランスを代表するワインの多くはジロンド川左岸のメドック地区で作られています。
 が、ダッソーがあるサンテミリオン地区はジロンド川右岸で、伝統的にメドックほど評価が高くありません。もちろん、シャトー・シュヴァル・ブランやシャトー・ペトリュス(これはポムロール)など超一級のワインもありますが、全体的にはメドックよりマイナーです。そのぶん価格も少しお得。
 ワインの全体的な特徴はぶどうの品種がメルロー主体ということで、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のメドックのワインよりは優しく、上品な味わいになります。


 シャトー・ダッソーはまさにそんなワインで、メドックのワインのような圧迫感に等しい強さはありませんが繊細で上品。飲みなれていない方でもやや飲みやすく、しかも物足りないことはない、美しくバランスが取れたワインです。3000円で買えることはもうないでしょうが、見つけたらまた買ってしまうかもなぁ。実は前々から何度も飲んでいる、好きなワインなんです。


 余談ですが一緒に買ったルチェンテがこれまた掘り出し物で、4000円(笑)今どきアルマヴィヴァも1万円してしまうこの頃で、ルーチェ・ルチェンテはなんでこんなに値上がりしてないのか不思議なくらいです。


koume