先日、財政諮問会議が社会保障費の2200億円抑制を可能としていたことを取り上げた時 は、まあ所詮は諮問会議の連中が勝手に試算しているだけで、政治家の方で取り合わなければいいこったとか考えていましたが、全くアマアマでした。まさか福田がこんなにもあっさりと認めてしまうとは・・・


東京新聞:『社会保障も聖域ではない』 首相、2200億円圧縮堅持
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008061102000109.html


 政府は十日、経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)を開き、今月末にとりまとめる「骨太の方針2008」の骨子案を了承した。福田首相は、歳出改革の最大の焦点となっている社会保障費について「社会保障も聖域ではない。『骨太の方針2006』にのっとって非効率を徹底して削減する」と述べ、毎年二千二百億円の圧縮目標を堅持する姿勢を明確にした。


 社会保障費の抑制に対しては、政府や与党内から医師不足などの現状から「削減は限界」との声が上がっていた。しかし、福田首相は、歳出・歳入一体改革の堅持をあらためて強調した。


 この点に関し、御手洗冨士夫日本経団連会長ら民間議員は「社会保障費の伸びを圧縮すべく、最大限の削減を行うべきだ」として、医療費を中心としたコスト抑制策を提示。


 薬効成分が同じで割安な「後発医薬品(ジェネリック)」の使用促進で毎年七百億円(国庫ベース)、入院期間を半分に短縮したり、医療機関が連携し重複した検査や受診を省くことなどで同二百億-三百億円が削減できるとの試算を示した。


 加えて、雇用保険の国庫負担千六百億円(〇八年度)についても大胆に縮減すべきだと提言。これに対し、舛添要一厚生労働相は「労使の問題もあるし、説得できるか疑問」と反論、慎重な見解を示した。


(以下略)



 誰もが思うでしょうが、社会保障ですら聖域でないのだとしたら、道路ってどんだけの聖域なんだよ・・・。
 いや、社会保障はどう考えても聖域でしょう。社会保障を潰してまでもハコモノを優先するって、それで国家を名乗っていいのか?国家ってのは国民が集まったものじゃないのか。これでは全く、国としての体をなしていない。
 これではまるで、臣民に苦役を課して、自分たちが遊ぶための豪華な宮殿をポコポコ造らせたいにしえの暴君となんら変わりはないではないか


 一番気持ち悪いのは、与党の一部とはいえ厚労相までもが「2200億円抑制は現実的ではない」とか言ってるのに、それを選挙で選ばれたわけでもない社会保障の何たるかもまるで知らない興味も無い単なる企業経営者が口出しして、そしてそれが簡単にまかり通る横紙破りを首相が率先してやっていることです。なんだこれは。ここまで民主主義を無視してもいいのか。日本と言う国はもう無くなったのか。あるいは国会なんか朝廷に祭り上げられて、経済財政諮問会議という名前の幕府が開かれたのか。


 昔、フィクサーと呼ばれた人たちは、あくまでも表の社会にひょいひょいでてくるような存在ではなかったと思います(ま、「笹川賞」の笹川良一はテレビCMに出てましたが)。ところが財政諮問会議の連中は権限なぞ堂々と無視して、国政に横車を押しやがる。もしかしたら日本国のPONRは、小泉政権の時に経済財政諮問会議が誕生した瞬間だったのかもしれない。


koume