ssd先生のブログ で知りました。お昼のニュースでちらっと「有毒ガスが・・・」とか言うのは見たんですが、話題の切れ目だったらしくどんな内容かまるでわからなかったので。
 でまあニュースソースはどうでもいいんですが、とりあえずクロルピクリンを飲んだ自殺意図の男性が病院に連れ込まれ、胃の内容物を1リットルほど出したがまだ残っていたやつを吐き出しガスになって周囲を巻き込んだと。


 クロピクは現在の農薬の中で、安全性の面からいって使用禁止にすべきものの筆頭といえる代物です。ニュースでは揮発性の高い農薬の・・・と書かれていましたが、これに関しては性能・性質からして当たり前のことなんです。

 家庭用殺虫剤のバルサンを思い出していただければ想像しやすいと思いますが、まああーいう感じのものです。ちなみに、バルサン並みだから大して危険ではないとか言いたいのではありません。一般家庭用の殺虫剤としてはバルサンが危険すぎるだけです。病院内に広がったのがクロピク由来のガスでなくて、バルサンを炊いたのであったとしても似たような被害は出たでしょうね。

 ちなみに畑で使う時の濃度と自殺意図で飲む時の濃度は全然違うので、クロピク=即危険のような誤解はしないようお願いいたします・・・と言ってもマスコミには無駄だろうな。もちろん、自殺未遂者が連れ込まれる医療現場は危険ですが。
 ところで、今回の報道ではじめて知ったんですが、クロピクって劇物指定なんですね。毒物かと思ってました。
 で、1リットル吐かせたのにまだ残ってた・・・てすごいですけど、いったいどれくらい飲んだんでしょうか。もちろん、胃液とかいろんなもの込みの容量でしょうけど。仮に半分の500mlがクロピクだとしたらまあ確実に死ねる量でしょうな。というか500mlも飲めばたぶん醤油だって死ねるわけだけど。


 ・・・と言うような話はどうでもいいことなんですが、世の中の農薬嫌いな人には「自殺に使う人がいるから、農薬なんてあってはいけない」なんておもろい事を言う人がいます。ええ、農薬が無くなれば、農薬による自殺はなくなるでしょうね。当然、他の方法による自殺が増えるだけなんですが。
 ちなみに現在の日本で、自殺で死ぬ人は年間に3万人くらいいますが、縊死(ま、首絞めですな)が半分で、農薬による死亡は全体の5%くらいです。
 けど、農薬嫌いな人は、クロピク一つの事例を農薬全体の話に広げるのが好きだからなぁ。


 にしても、事件としては医療関係者は完全な被害者で、とにかくかわいそうなのに、特にssd先生があげた読売新聞の報道記事 なんか読んでもまったく「お医者さん可哀想」と思わせない記事構成はもはや芸術的ですネ。同時に、まるで農薬が悪いかの如く書く技術も優れていると感じます。何でこういうのはうまいのかなぁ。


 ところでこの件ではクロピクを飲んだ男性は亡くなったようですが、メタミドホスの件や、グリホサート緑茶では人は死んでいませんね。今回の件もクロピク以外の物でも死ねたような気がしますが、私は商売柄、メタミドホスやグリホサートなどより絶対確実に死ねる農薬を知っています。

 ・・・とか書くと、硫化水素で話題になったような感じで、このブログも有害サイト認定になったりするのかなあ(笑)ちなみにそれで死ぬとすると、途中で後悔してしまうほどの地獄の苦しみを負う上に、本当に後悔して反省してもまず助からないので、絶対お勧めしません。


koume