北國新聞 4月2日朝刊より



珠洲病院に産科医

http://www.hokkoku.co.jp/news/HT20080402401.htm


 沖縄・久米島から着任 内浦出身の山城医師「経験、この地で」


 珠洲市総合病院の産婦人科に1日、沖縄県の久米島から新任の山城玄医師(五八)が着任した。同科は前任の産婦人科医が三月末で退職し、市民からは「休診に追い込まれるのではないか」と心配の声が上がっていた。泉谷満寿裕市長から同科医長の辞令を受けた山城医師は「この年齢になり、ようやくお産のことがわかってきた。これまでの経験をこの地で生かしたい」と抱負を述べた。


 山城医師は旧内浦町小木出身。金大医学部院生時代に、自ら希望してサウジアラビアの日本企業アラビア石油の診療所に赴任し、産婦人科医師としてのスタートを切った。現地で約二年半勤務した後、大学に戻り、その後、舞鶴市の病院を経て三年前に沖縄・久米島の公立久米島病院に赴任した。


 久米島では血液の備蓄がないため、診療は外来に限定されていた。手術患者は約百キロ離れた沖縄本島に頼らなければならず、多少不自由さを感じていた昨年秋、金大の先輩で面識もあった珠洲市総合病院の波佐谷兼綱院長(現同病院地域医療対策室長)から誘いがあった。山城医師は「乳児に優しい病院」を掲げ、母乳で育てる運動の普及、実践を続けており「珠洲なら自分の考える医療が出来る」と引き受けた。


 山城医師は、近年の産婦人科医離れについて「リスクが大きいから毛嫌いされるともいえる。お産だけを扱う医療センターの体制があってもよい」と話し、過疎地の産婦人科医療の充実を求める。二人の子どもは独立し、夫人は金沢住まいだが、「単身が長く、一人暮らしは苦にならない」と笑顔で話した。





 久米島から勇者のご到着です!久米島がいかに悲惨な地であったかの噂は充分聞き及んでおりますが、そこを離れて今度はまた陸の孤島といえる珠洲市の一人医長とは素晴しい勇猛さです。珠洲市の民度がどれほどのものか私は知りませんが、せめて心安らかにすごせる場所である事を切に願っております。


 ところでこの記事の隣に小さく、こんな記事が。



3年ぶり産科再開 金沢市立病院


 金沢市立病院の産科診療が一日、三年ぶりに再会した。医師が確保できず、産婦人科のうち産科診療のみが二〇〇五(平成十七)年四月から休診していた。
 前珠洲市総合病院勤務の久保忠医師(六九)が一日付で着任し、産婦人科は婦人科の男性医師と合わせて医師二人・助産師十人の体制となった。受付時間は平日午前八時-同十一時半と午後一時-同三時となる。
 金沢市立病院では、昨年九月に小児科医療を再開した。今回の産科診療の再開で周産期医療体制が整った。



 うん、見事な玉突きです。


koume