地元のニュースです。二次救急対応の国立金沢医療センターが、夜間休日の小児救急診療は原則入院が必要な患者に限ると発表しました。
 ちなみにまーったくの余談ですが、隣の県の富山市民病院では、今年は病院機能評価に全診療科挙げて対応するそうで、これから様々なマニュアル作りに奔走するそうです。だからどうだっつうわけでもないですけど(^^;


 1月12日付 北國新聞より




 小児救急「もう限界」 不足する医師、増える「モンスター」
 夜間休日 「要入院に限る」


 慢性的な小児科医不足や理不尽な要求をする「モンスターペアレント(保護者)」の増殖が、石川県内の小児救急医療に影響し始めている。金沢市の国立病院機構金沢医療センターは十一日までに、「夜間休日の小児救急診療は原則入院が必要な患者に限る」との声明を発表した。小児急患の九割強が本来受け入れ対象外の軽症患者で占められ、医師が過重労働を強いられているためで、医療ミス防止の観点からも理解を求めている。


 ”疲弊防止”と異例の声明


 同センターによると、昨年度に同所の夜間救急(午後六時-午前八時)を利用した小児は一晩あたり平均十五人前後、年間述べ約六千人だった。そのうち本来の対象である入院が必要な二次救急患者は年間四百人ほどで、全体の6.7%しかいなかった。残りは風邪など軽症の一次救急患者で、「夜になっても寝付かない」などの理由だけで連れてくる保護者もいるという。
 医療機関には診療義務があるため、このような患者でも診察を拒む事はできない。しかし同センターの太田和秀小児科医長は「二次救急の医療機関であることを説明し、他の子を先に診察すると伝えると怒り出す親御さんも多い」と明かし、「モンスターペアレント」の増加も小児科医の疲弊の一因に挙げる。
 声明は、市内の医療機関向けに発行している先月二十八日付の「金沢市医師会だより」に、同センターの小島靖彦院長と大田小児科医長の連名で発表された。
 文中では「一次救急を即座に断っていくつもりは無い」とした上で、明らかに一次救急と思われる軽症の患者に対しては、金沢市医師会が同市大手町で開設する夜間救急診療所にまず受診、連絡するよう「患者教育を徹底して欲しい」と医師らに呼びかけている。
 金沢医療センターは〇四年四月から小児科の二次救急医療を開始し、常勤医八人の二交代制で二十四時間診療を行ってきた。しかし金大付属病院から派遣される常勤医は小児科医不足を理由に年々削減され、現在は五人しかいない。代わりに夜勤のみを担当する非常勤医が派遣されているが、この派遣も中止が検討されており、「そうなれば現在の二十四時間三百六十五日の二次救急医療は止めざるを得なくなる」(小島院長)という。
 県内で二十四時間体制の小児救急医療に対応している四病院のうち、金大付属病院は〇四年の大学法人化以降、重篤な三次救急患者しか受け入れない方針を取っている。高度医療の制度を保つため、他の医療機関との役割分担を明確化する動きは今後も広がりそうだ。
 小島院長は「大手町の夜間急病診療所をもっと活用することで、金沢医療センターのベッドは本当に容態が深刻な子のために空けておかせてほしい」と要望している。





 ちょっとよくわからないんですが、患者教育を徹底してほしいと呼びかけている対象って医師なんですか?まあ親御さんを教育できる立場の人ってあまり思い浮かびませんが、医師が説明してもたぶん聞く耳持たないでしょう。「怒り出す親御さんも多い」んだし。
 そういう意味ではやはりマスコミの責任は大きいし、逆にマスコミが出来る事も本当に多いはずなんですよね。


 モンスターペアレントが何故発生したかまで考えれば、そこにマスコミの影響を見出さないわけにはいきませんし、こういう記事に対しても「お前が言うな」との感想はありますが、それでもマスコミしか出来ない事もあるわけで、こういう記事が増えている事自体はいいかなあと思います。まあ遅きに失している感もありますが。


 ところで、救急搬送を実際に行っている救急隊の事は、なんで一切取り上げられていないんでしょうか・・・ここで取り上げられているモンスターペアレントは、みんな自分で医療センターまで行ってるんでしょうか?


koume