ネタ元は「松永和紀のアグリ話」 より。
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 少し前の話だが、農業資材「アグリクール」が無登録農薬に該当することが判明したとして農林水産省が製造・販売企業に立ち入り検査を行い、プレスリリースした。アグリクールは「自生植物からつくられた農植物保護液」という触れ込みで、販売代理店のウェブサイトには「農薬ではありません」と大書してあったが、農水省は認めなかった。だが、これは氷山の一角だ。問題のある農業資材はごまんとある。


(以下略)




 と言うわけで出たプレスリリースがこちら。
 http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouyaku/071122.html


 農薬についてはこちら。今回の無登録農薬問題に関わる文書群がアップロードされています。
 http://www.maff.go.jp/nouyaku/
 なんかほとんどpdfですが、ウェブにアップするならhtmlにしてくれたほうが読みやすいんだけどなぁ・・・


 さてまず無登録農薬についてですが、もともと農薬を農薬として扱う為には、農薬メーカーが開発して試験しただけではダメで、その試験結果を国の農薬試験場に提出して登録を受けないといけません。もちろんそこでは、毒性や残留性などをチェックして問題がないことを認められないといけません。つまり、ちゃんとした使われ方ならば消費者や環境などに対して問題が生じないことを確かめるわけです。農薬メーカーでの試験には億を越えるお金と数年にわたる時間がかかり、その後の登録の手順にも早くて数ヶ月を越える時間がかかります。農薬は全てこれらの過程を経ています。
 ところが無登録農薬の場合はそれらの試験や登録を経ていません。なので通常の農薬に比べれば、そのリスクについてあまりにもわかっていないのです。


 このような無登録農薬は、無登録であるがゆえに農薬ではなく、農薬として販売する事も使用する事も禁止されている(ちゃんと罰則もある)のですが、農薬でないがゆえに何故か有機農法のフィールドで使われることがあります。
 無登録農薬の中には、普通の農薬に含まれている成分と類似の成分が入っていると思われるものもあるのですが、それらを使っても農薬ではないので無農薬栽培と主張する人は多くいます。農薬より危ないものを使っている有機栽培というわけですが、無登録農薬はその農薬制度の衆知度の低さと「自然の材料で出来てます」のような安全性には何の意味もない宣伝によって普及しています。


 それを取り締まる動きを見せた農水省に対しては素直に頑張れといいたいところですが、ついこの間、そういう動きとは正反対の方を向いてる事例も見たし(「健康食品を認可?」 です。まあこれは今の段階ではまだ、少数の議員の単なる勉強会ですが)、そもそも日本で最も有名な無登録農薬であるフローラ社のHB-101が未だに取り締まられていないことから、なんか妙な裏取引的なものを邪推せずにおれません。農水省には本気で動いて欲しいと思ってます。


koume