最近、マスコミの中では、何かの専門的な知識を持つと「○○ソムリエ」と呼ばれることがあります。「野菜ソムリエ」とかね。
 しかしソムリエって別に「専門職」とかそういう意味ではなくて、もともとは「樽を運ぶ者」から来た、歴としたワイン用語です。


 ワインの世界には資格があります。
 認定機関はいくつかありますが日本で最も権威があるのは「社団法人 日本ソムリエ協会(JSA)」  。ここで認定している資格は「ソムリエ」「ワイン・アドバイザー」「ワイン・エキスパート」です。
 それぞれの違いは、

 ソムリエとはレストランなどでお客様相手にワインや飲み物をサーヴィスする職業のこと、

 ワイン・アドバイザーは種類業界で働く人、例えば酒屋などの従業員、醸造・生産者、輸入・流通業者などのための資格、

 ワイン・エキスパートは要するに単なるワイン・マニアです。
 ただし、ワイン業界に関しては「ソムリエ」という名称がやたら有名で一人歩きしているくらいなので、ワイン・アドバイザーのことも「ソムリエ」と呼ぶことがあります。もちろん正確には違いますが、例えばワイン・ショップで「ソムリエがいる店」とか宣伝してある場合、その人はたいていワイン・アドバイザーのことです。
 
 それぞれ試験を受けて得る資格で、内容は結構難しくて受験者数も多く難関です。
 試験そのものは、1次試験(筆記)は3種類とも共通で、2次からがそれぞれの専門分野に照らした試験となります。ソムリエとワイン・アドバイザーに関しては試験を受けるための必要条件があり、ソムリエの場合はレストランなど飲食業のサーヴィス業務経験ワイン・アドバイザーの場合は酒類業界での実務経験、または調理等の専門学校での講師などの経験がそれぞれ数年間必要です。


 ちなみにソムリエとワイン・アドバイザーには上級の資格があり、シニア・ソムリエとシニア・ワインアドバイザーがあります。それぞれソムリエあるいはワインアドバイザーとして数年の経験が必要で、さらに難しい試験を経て取得できる資格です。


 ただ、私の周囲にもこれらの資格を持っている人は何人かいますが、ワイン・エキスパート以外は資格を持っているだけではただの人です。別に私はその人たちを馬鹿にしているわけではなく、本人たちがそう言っています。
 ソムリエとは職業であって、その個人を表す言葉ではありません。当たり前ですが、微妙な勘違いが世間に蔓延しています。ソムリエは別にワイン・マニアという意味ではなく、レストランでのサーヴィス・マンであって、お客様相手にいかに楽しい食事をさせるかということに心を砕く店員さんなのです。
 松坂大輔はマウンド上に立っている時のみピッチャーであって、グラウンド外では有名人としての責任はあるでしょうがそれ以外の面ではピッチャーではありません。プライベートで彼のことをピッチャーと呼ぶのは間違ってる・・・んんん、何を書きたいのかわからなくなってきました(爆


 ところで「名誉ソムリエ」というものは何なのかいまいちよくわかりません。芸能人でたまにこういう人がいますが、上に書いたとおり、ワインをサーヴィスしなけりゃその人はソムリエでもなんでもないのです。単なる見栄でしょうか。


 私は、ワイン・エキスパートの試験は受けてみたいなぁと思うことはありますが、肝心の試験日程が、本業が最も忙しい時期とモロかぶりなのでなかなか受けることができません(^^;


koume