ワインはものすごく大きく分けると4つに分かれます。赤白ロゼ黄ではなく、「スティルワイン」「スパークリングワイン」「フォーティファイドワイン」「フレーヴァードワイン」です。
 それぞれ、


スティルワイン :赤白ロゼなどの、普通のワインのこと。


スパークリングワイン :発泡性ワインのことで、普通はガス圧3気圧以上のもののこと。ちなみにガス圧1気圧以下の微発砲ワインはスティルワインに含まれる。


フォーティファイドワイン :酒精強化ワインのことで、ワインの醸造中にブランデーまたはアルコールを添加してつくったもの。シェリーやポート・ワインなど。


フレーヴァードワイン :ワインに薬草・果実などを加えて独特の風味を加えたもの。ヴェルモットなど。


 ・・・という、それぞれの解説は実は今回の本題ではないのですが(^^;この2番目の「スパークリングワイン」。これの代表格はもちろん、シャンパン(シャンパーニュ)です。


 シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で法に則って作られる(「瓶内2次発酵」という製法で作られ、ガス圧は20℃の時で5気圧以上が条件の)スパークリングワインのことで、つまりシャンパーニュ以外の土地で作られるスパークリングワインはシャンパンではありません
 しかし、世間的にはシャンパンの名前は、スパークリングワインの総称として使われることがあります。泡の立つワインならばどれでも「シャンパン」というわけです。むしろスパークリングワインという名前の方が全然マイナーで、ワイン・ファン以外の人は聞いた事のない名前なのではないでしょうか。なにしろ、クリスマス・シーズンによく売れる「シャンメリー」のことをも「シャンパン」と呼んでいる人を見たことがあります(笑


 これはおそらく、シャンパンがスパークリングワインの中で圧倒的に有名で、シャンパン以外の発泡性ワインがあまり紹介されることがなかったことによるのではないでしょうか。
 また、シャンパンという名前に対してスパークリングワインという名前はいかにも長くてややこしく専門的で、だから短くて語感もよい「シャンパン」という名前が先走りしてしまったのだという考えも難しくありません。


 まあ消費者としては、こんな呼び名に対して厳密である必要はないのですが、ちょっと困ったことが以前ありました。ほとんど、自分の気の回しすぎだったのですが(^^;


 以前、とあるカジュアルなイタリアン・レストラン(有名なチェーン店で、ほとんどファミレスに近い)に行った時、スパークリング・ワインが飲みたくなったんです。んで店員さんに頼んだんですね。ただ、その店員さんが若いバイトみたいな兄ちゃんで、たぶんスパークリングなんて言ってもよくわからんだろうなと思って、「シャンパン下さい」って頼んだんです。
 「いえ、これはシャンパーニュで作られたものじゃないので、シャンパンではありませんよ」と、その兄ちゃんは言うわけですよ。

 そんなもんわかっとるわ!と自分の気の回し過ぎで怒ってもしょうがないのですが(笑)、しかしちょっとむっとしたので、「失礼しました、ではこのスプマンテを下さい」と言ったら彼はきょとんとしていましたねー。なんじゃ、シャンパンは知ってても、それ以外のことは知らないんじゃん。スプマンテとは、イタリア産のスパークリングワインの総称です。


 ちなみに他の国のものは、スペインのは「カヴァ」、ドイツは「ゼクト」です。おそらく、人生でまったく役に立たない、まさにトリビアです


koume