今回の旅で一番ハードな一日になるであろう、遺跡めぐり。
35度を超える気温と、日本の夏かそれ以上に感じる重たーい湿度。
少し歩くだけでジーパンがべっとり足に貼り付く・・・
ジーパンなんかで来るんじゃなかった。
この日ももソレントから、ぼろっぼろのヴェスーヴィオ周遊鉄道に乗り、
まず向かったのはエルコラーノ。
ポンペイの遺跡とセットで世界遺産に登録されているエルコラーノ遺跡が
ある。
観光客向けにいくつか鉄道や観光地のセット券が売られているけれど、
今回はナポリにてカンパニア州全域の公共交通に3日間乗れて、
見所2箇所も無料で27ユーロのものを購入。
これでポンペイ・エルコラーノの入場券と往復の電車、
後日アマルフィを訪れた際のソレント~アマルフィ間の往復バスもカバーし、
お得だった。(ちなみにカプリ島には使えません)
(ポンペイ&エルコラーノの入場券だけでも20ユーロする)
遺跡は駅から長い坂を下って徒歩10分ほど。
エルコラーノ周辺は、ナポリ近郊でもあまり治安がよろしくない(貧しい)地区で、
平日の午前10時ごろに行ったにもかかわらず、
街角には働き盛りの男の人がたくさんぶらぶらしている。
(この辺は、職にあぶれた人たちがたくさんたむろしているので、
注意が必要だとガイドブックにも記載があった。)
海を見下ろす街並みはなかなか風情があるけれど、
この状況ではカメラを出す気分にもなれない。
当初考えていた、「午前中にエルコラーノを見学して、エルコラーノの街で
ランチ」の計画は断念。観光客向けのレストランがある雰囲気でもない。

エルコラーノの遺跡に到着。奥に見えるのがヴェスーヴィオ火山。
ポンペイの遺跡が火山灰に埋まったのに対し、
こちらのエルコラーノは溶岩流によって埋まってしまった遺跡。
ということでポンペイに比べ、固い溶岩の下の発掘は難しかったけれど、
保存状態はポンペイに劣らずきれいなまま残されていて、古代ローマの
貴重な遺跡の一つとなっている。
(出土品の数々はナポリの考古学博物館に納められている。
今回は時間が取れなかったけどこちらも機会があれば是非行ってみたい)
海を臨む高台にあるエルコラーノは古代ローマの貴族たちの別荘地として
人気があったそう。
紀元62年に大地震の被害を受け、その復興作業中の79年に火山の噴火で
埋まってしまったなんとも悲運な町。

別荘地と言うことで、ポンペイのように大きな神殿やコロッセオが
あるわけではなく、延々と住居跡が続く。

食堂の跡。集合住宅にはキッチンスペースがない場合もあり
こういった共用スペースが利用されていた。
ファストフード的なお店もあったとか。

美しい壁画が残る部屋。
細かいガラスを使った鮮やかなモザイク画や
ヴェスーヴィオ絵画とよばれる赤を多用したフレスコ画が
施された豪華な家がたくさん残され、
貴族たちの優雅な別荘ライフを想像することができる。

こちらは庶民向けに安い費用で建てられた共同住宅。
でも、格子のバルコニーが付いてたりして近代的でおしゃれ。

遺跡のすぐ脇は民家。ナポリのボロ屋はホントにボロボロなので、
遺跡の一部かな?と一瞬思うんだけど、
人が住んでいるのが見えたり、洗濯物がかかってたりする。
景観を損ねないという点では、ある意味遺跡と同化していて
いいのかも・・・笑
そういえば、エルコラーノの入り口のトイレ、カギなかったな。
レストランのトイレとかも、カギないパターン何箇所かあったなぁ。
犯罪抑止?なのかなぁ。カギが壊れてるとかじゃなく
もともと付いてないとこもあったし。
トイレの最中に開けられてもあんまりお互い気にしないんだろうか?
公共のトイレはそんな感じでラフだったり汚かったりで
入る気がしなかったので、わざわざ有料トイレに入るようにした。
(カプリ島やアマルフィの有料トイレは50セントでまあまあきれい。)
ドイツは基本有料トイレだから、きれいなトイレに入りたければ
お金払うって言うのは、普通の感覚になってきた。
日本のトイレのきれいさは世界に誇れる文化だとつくづく思う。
さて。脱線してしまいましたが・・・
午後はポンペイ遺跡へ向かいます。
(3)につづく。