俺はベトナムで外科手術したことがある
ある日ムカデか、なんか虫に噛まれたのであろうが目の上にこぶとりじいさんのような大きなたんこぶができてしまった。
まさに「目の上のたんこぶ」である、邪魔で仕方がなかった。
あまりに目の前に覆いかぶさってくるので、これでは仕事に支障が出でるからベトナムのローカルの病院に俺は診察してもらいに行った。
ベトナムの病院というところはどこでもそうであるが朝7時ぐらいに行ってまず受付の「順番券」を取る。
もうこの時間でも長蛇の列である。
「順番券」の番号を見ると3500番と書いてある。
今の処置中の番号が1000番台であるからおそらくあと2-3時間じゃ待たなければならないであろうと俺は覚悟した。
気長に待つためにベンチに腰をかけて待っていた。
すると看護婦がやってきて俺は外人であるから特別に整理券なくても早く診てもらえるようにという提案をしてきた。
ベトナムにしてはいい看護婦さんだ。
俺は心からこの時は感謝した。
で、長蛇の順番をすっ飛ばして外国人である俺は列の一番先端に割り込ませて頂いた。
なんか「並んでいる人に申し訳ないな」と思う気持ちが自分の小市民さを表している。
そして俺の順番が来た、
女性の担当医であった
いきなり俺の目の上を見て「あ、これはすぐに切らなければならない」と判断したようである。
すると彼女はいきなり小さいメスを持ってきて目の上をカットする体制に入った。
「ちょっと待て、日本では普通はこういう場合は麻酔をするもんだぞ」と俺は英語で言った。
痛いのはいやだ。
女性でも医者になるぐらいの人間であるから彼女は英語は流暢であった。
「わかった。では麻酔をします」
と言って目の上の端っこの方に麻酔の注射針を入れた。
問題はその後である