次に俺かま指示したのは
「こちかめ 全40巻」
かなりの重量である。
これも何とか彼はクリアした。
しかし彼が言った
「いやー、さすがに重かったすわ」のひとことが耳に残った。
俺の中で次は
「人間はどれぐらいの重いモノに耐えられるか」と言うことに論点が変わり出した。
理由は楽しいからと、根を上げたらやつは出て行かざるを得ないからである。
次に俺が頼んだのは鉄アレイとバーベルのセットであった。
「1キログラムの鉄アレイを2個と5キロのバーベルを2つ買ってきてくれ」
これが俺の指示である。
「いやー、さすがにホーチミンでもバーベルは売ってますよ」
彼はそう言って細やかな抵抗を見せた。
俺は「やっぱり日本製のものが一番いい。日本で買うことに決めた」と言い切った。
「分りました」と言いつつやつは鉄アレイとバーベルセットをちゃんと買ってきた。
しかしその頃からやつも人間であるから俺が別の意思を持って指示を出していると言うことになんとなく感じてきたと見えた。
最後に俺がやつに命令した指示は
「20キロの漬物石」
さすがに彼は優しい俺が何を考えているかを理解したのであろう。
その指示をやんわりと断った彼は今めでたくホーチミンでホテル住まいをしている。