ベトナムと言う国は女性の貞操観念が非常に強い国である。


戦後の日本の昭和の日本を思い出してほしい。


若い男女が付き合って結婚前にエッチをするなどはもってのほかである。


そういう意味では街角でよく見るカップルも中高校生の恋愛のように無垢で非常に微笑ましく見える。


ここで我がスタッフのアンさんを紹介しよう。

アンさんは大学の日本語学科を卒業し、非常に日本語が堪能である。


日本にも何回も行ったことのある非常に優秀な女性である。


ある日彼女はウキウキした顔で私に報告してきた。


「社長、来月結婚しますのでぜひ結婚式には来てくださいね」

と可愛らしい結婚式招待状を両手で差し出した。


「よかったね、相手はどんな人?」


「はい、とても優しい人です。同じ故郷の出身です」


「そうか、それはよかったな。必ず結婚式には顔を出すからね」

と私は彼女に祝福の言葉をかけた。


それから1ヶ月間彼女の仕事っぷりはハッピーを絵に書いたように生き生きと働いていた。

まるで地面に足がついたような感じの浮かれようである。


さて結婚式当日


俺は200キロ離れたフアンテイエツトと言う街まで彼女の結婚式に参列するために向ったのである。


ベトナムの結婚式は例えば10時開催と書いてあってもメインの新郎新婦が現れるのが12時ごろで時間厳守の日本人にとっては待たされることこの上ない。


であるからほとんどの結婚式はで早い時間に来ているのは日本人のグループだけである。


はいずれにしても12時ごろにきれいに着飾ったアンさんとその新郎が現れて結婚式のピークを迎えた。


友人の歌や親族の挨拶など日本でも定例のパターンが進行する。


そして2時ごろになんとなく解散でみんなが三々五々帰宅することになった。


これも日本みたいに「さあ、終わります」の一言で一斉に帰るのではなくパラパラと用事のあるやつから順に帰るのが通例だ。


「アンさんじゃぁね。俺は帰るから。おめでとう!明日から1週間は新婚旅行で楽しんでこいよ!」

と声をかけて俺はホーチミンに帰っていった